『Battles/Mirrored』

Warp (UK) WARPCD-156

Battles: John Stanier(ds) Ian Williams(g) Tyondai Braxton(g) Dave Konopka(g)

1.Race: In 2.Atlas 3.Ddiamondd 4.Tonto 5.Leyendecker 6.Rainbow 7.Bad Trials 8.Prismism 9.Snare Hangar 10.Tij 11.Race: Out  

ポストロックって言い方には、もういい加減に飽きた。とはいえ、じゃあこれをなんと、一体これをなんと呼ぶのかは難しい。プログレであり、 テクノであり、ミニマルミュージックであり、ロックなのである。バトルスは4ピースのロックバンドだ。アンソニー・ブラクストンの息子タイヨンダイを筆頭に元ヘルメット、元ドン・キャバレーロ、元リンクスと、それぞれがキャリアを誇るアメリカの音楽シーンの隠れた名手が集ったドリームチーム。その待望の初フルアルバムは、異様に乾いたスネア・ドラムの音で幕を開ける。複雑に絡まり合う2本のギター、エレクトロニクス、口笛……バンドは、壊れたかのようなプログラムを、あたかも機械のごとき精密さで正確無比に実行していく。感情は圧殺され、メタリックな音像をうっすらとユーモアの油膜が覆う。タイヨンダイは、これを「ニュートラルな音楽」と呼ぶ。コンテクストが見えない、という意味では間違いなくそうだろう。しかし、だとしたらこんなに体が動いてしまうのはなぜなのか。バトルスは、いまだぼくらの知らない回路を通じて、ぼくらの耳、そして体へと接続するのだ。JT

(若林 恵)

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