『James Carter-John Medeski/Heaven on Earth』

HalfNote HN4542

James Carter(ss,ts,bs)
John Medeski(Hammond B3)
Christian McBride(ac/el-b)
Adam Rogers(gtrs)
Joey Baron(ds)

1. Diminishing (Django Reinhardt)
2. Slam's Mishap (Lucky Thompson)
3. Street Of Dreams (Victor Young/Sam Lewis)
4. Infiniment (Traditional)
5. Blue Leo (Leo Parker/Ike Quebec)
6. Heaven On Earth (Larry Young)

Recorded live at the Blue Note, NY, May 8-9, 2009
Recorded and Engineered by Steve Remote
Mastered by Greg Calbi, Sterling Sound
Produced by Jeff Levenson

泣く子も黙るサックス大明神とメデスキのマッチアップである。あざとい組み合わせと言うなかれ。でも、確かに売れるわ、これ。ジャズファンもジャムファンも納得のファンキーな一枚。数作前で、JCのオルガントリオを発表し好評を博した、気鋭のジャズレーベル "Halfnote" からのクリーンヒットである。
大明神のサックスは、まあ、どこを切っても相変わらずエグく黒光りしていまさらつけ加えることもないが、それをサポートするのが、オルガンのメデスキ筆頭に、クリスチャン・マクブライド、ジョーイ・バロン、アダム・ロジャーズの芸達者だけに、全体のサウンドは実にクリーンかつスムーズである。軽快なファンクに仕立てあげられたジャンゴの「Diminishing」や、ドン・バイアスによるお洒落ボサ「Infinitement」なんて、まあ、なんというか、実にリラクシンな気分なのである。メデスキの色彩感に富んだ音使い、シュアなベース、軽やかにドライブするドラム、浮遊感たっぷりに漂うギターは、いうなれば高性能ハイブリッド・エンジンみたいなもんで、一方のデトロイト産のモンスターはというと、二酸化炭素を大量にまきちらしてアンチ・エコ街道を暴走する。この対比の妙が、そもそものこの企画のキモなわけだが、その両者の特性ががっちりかみ合うのは、JBマナーのファンクよりは、むしろバラードやスローなブルースである。ここでのJCは、キメの細かいビロードの演奏にくるまれ心地よさげに歌いまくるわけだが、Ne-yoだろうがエイコンだろうが、この歌心にまさるものは、広くR&Bシーンを見回したところで見当たるまい。おっと、ソプラノを手にした大明神がラリー・ヤング・チューンに挑む表題曲も忘れちゃいけない。こういう能天気な曲をやるとやっぱJCは光るね。ケタ違いの跳躍力。馬力もまた段違いなのである。JT

(若林 恵)

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