ジョージア州サヴァンナに生まれ、ニュー・ジャージーで育つ。カウント・ベイシーのサックス奏者に憧れ、サックスを始め、後にフルートも。1943年から3年間軍役、除隊後2年間ディジー・ガレスピーとビ・バップを演奏。1948年から3年間、人種差別を逃れて(断酒という説もある)パリを中心としてヨーロッパに滞在(この間、イタリア語を習得)、代表曲<ムーディーズ・ムード・フォー・ラヴ>(ジミー・マクヒュー/ドロシー・フィールズのヒット曲<I’m in the Mood for Love>のソロ・パートから作曲)を発表。1952年、米国に戻り本格的に録音活動を開始。1963年、1990年にガレスピーとの活動を再開。
1988年カリフォルニア州サン・ディエゴに移住、1991年リンダ夫人と結婚、1995年にはふたりでMoody Scholarship Fundを設立、若手の育成に貢献。
1997年「ジャズ名声の殿堂」入り、1998年NEA ジャズ・マスターに選出、2000年にはバークリー音大から名誉博士号を授与されるなどキャリアが客観的に評価された。
録音活動も積極的に行い、リーダーとしてのデビュー作は『James Moody and His Bebop Men』(1948)、滞欧中のヒット作『I’m in the Mood for Love』(1949)、その他、『Young at Heart』(1996)、『Moody Plays Mancini』(1997)など、最新作は『Moody 4A』、『Moody 4B』。

初来日は1969年9月の「ディジー・ガレスピー・クインテット」、以後、2009年10月まで計19回の来日経験を誇る。なかではガレスピー・バンドでの来日が最多で5回。2006年には参加したサックス奏者矢野沙織のCDリリースを記念したツアーでも来日。(成田正氏の来日アーカイヴによる)。
*写真(@Newport Jazz Festival 2007)は、常盤武彦(Takehiko TOKIWA/在NY)氏提供。


ジェイムズ・ムーディの思い出    井上 智(ギタリスト)


ジェイムズ・ムーディ逝去の知らせをNYからのメールで受け、大変ショックを受けております。
しばらく前から彼はすい臓がんと闘っていると聞いておりましたが、残念です。

素晴らしい音楽家で人間も最高でした。
ムーディとの思い出はたくさんあります。
彼が78才の時、2003年ですが、日本ツアーのメンバーに誘っていただきました。レニー・ロスネス(p)、タッド・クールマン(b)、アダム・ナスバウム(ds)が一緒でした。僕が石川県の野々市のジャズ・フェスティバルに関係していることもあり、石川TVの1時間番組に出演し、演奏の合間にインタビューで<ムーディーズ・ムード・フォア・ラブ>が出来た経緯(いきさつ)などを聞き出したりしました。
http://blogtest.satoshiinoue.com/?eid=681586

ディジー・ガレスピーと同じバハーイー教の信者で、ドラッグはもちろん、酒やタバコもやりません。毎朝、顔を合わせると、メンバーひとりひとりの両頬にキスをして挨拶を交わすのです。ステージに上がるとお客さんを楽しませるエンターテイナーぶりを発揮し、<ムード・フォア・ラブ>では男女の掛け合いをファルセットを使ってひとり二役をやったり。ジョークもよく飛ばしていました。このあたりは、ガレスピーの影響かも知れません。ガレスピーとの親交はよく知られているところですが、ガレスピーがイングルウッドで亡くなったときも(註:1993年1月6日没)ベッドの脇で死を看取ったひとりと聞いています。たしか、初来日もガレスピーのクインテットだったと思います(註:1969年9月)。

彼の80才の誕生日を祝ってNYブルーノートでバースデイ・ライブがあり、この時もステージに上げてもらいました。パキート・デリベラやランディ・ブレッカー、ジョン・ファディスなどムーディを慕う大勢のミュージシャンが集まりました。彼は本当に多くのミュージシャンから尊敬されています。一般のジャズ・ファンよりもミュージシャンの信頼度が高い、いわゆる“ミュージシャンズ・ミュージシャン”の典型ですね。

彼の感心するところは、いくつになっても音楽的好奇心が強く、柔軟性に富んでいるところですね。クリス・ポッターやマーク・ターナーなど注目を浴びる若手の演奏にも耳を傾け、良いところは積極的に吸収していましたね。一緒に演奏していて彼らのフレーズが飛び出して驚いたことがあります。コルトレーンの<ジャイアント・ステップス>などもいくつになってもバリバリ吹き切っていましたからね。

バリー・ハリス(p)の日本ツアーを打ち上げたところですが、バリーも今月の15日に81才を迎えます。ムーディは85才で亡くなったわけですが、僕は幸いにもこういう“生きた伝説”的ミュージシャンと共演する機会に恵まれてとても幸せに思っています。人間的にも音楽的にも学ぶところが多いですからね。

ジェイムズ・ムーディのご冥福を心から祈りたいと思います。(談)
* 井上 智
http://www.jazztokyo.com/interview/v45/v45.html

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FIVE by FIVE 注目の新譜


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年末特集
ことしの このCD 2015(国内編)
伏谷佳代|剛田武| 細田成嗣|稲岡邦弥| 神野秀雄|小西啓一| 望月由美|及川公生| 斎藤聡|玉井新二
ことしの このCD 2015(海外編)
伏谷佳代|剛田武| 細田成嗣|稲岡邦弥| 神野秀雄|小西啓一| 望月由美|及川公生| 斎藤聡|常盤武彦
このライヴ/このコンサート 2015(国内編)
伏谷佳代|剛田武| 細田成嗣|稲岡邦弥| 神野秀雄|斎藤聡| 望月由美|悠雅彦
このライヴ/このコンサート 2015(海外編)
伏谷佳代|剛田武| 細田成嗣|稲岡邦弥| 神野秀雄|斎藤聡| 望月由美|常盤武彦| 悠雅彦
(*アルファベット順)

FIVE by FIVE
#1267『Mike Nock ~Roger Manins / Two -Out』『Mike Nock~Laurence Pike / Beginning and end of knowing』(FWM) 悠雅彦
#1268『板橋文夫FIT! / みるくゆ』(MIX DYNAMITE) 齊藤 聡
#1269『Romain Collin / Press Enter』(ACT Music) 常盤武彦
#1270『Mike Moreno / Lotus』(World Culture Music) 常盤武彦
#1271『Shoko Nagai / Taken Shadows』(Animul) 剛田武
#1272『河野智美/リュクス』(Sony Music Direct) 徳永伸一郎
#1273『The Creative Music Studio (CMS) -Archive Selections Vol.2』(Planet Arts) ブルース・リー・ギャランター
#1274『Mette Henriette』(ECM) マルクス・シュテグマイヤー
#1275『この1枚 2015(国内編)』
#1276『この1枚 2015(海外編)』

COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito, 吉田野乃子 Nonoko Yoshida & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#09 Contents
・音楽を進化させる異邦人 剛田武
・連載第9回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 (シスコ・ブラッドリー)
・よしだののこのNY日誌 第7回(最終回) 吉田野乃子
・ライヴ・レポート:吉田野乃子@Stone 蓮見令麻
・インタビュー:ジョシュ・エヴァンス 齊藤聡

連載フォト・エッセイ
Reflection of Music 43「マッツ・グスタフソン」横井一江

カンサス・シティの人と音楽
#46. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”: チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#255『Wolfgang Muthspiel / Driftwood』(ECM)
#256『Boys featuring SHUN』(Studio TLive)
#257『Mette Henriette』(ECM)
#258『田中倫明/オラシオン』(スタジオ・パライソ)
#259『早川隆章&T-SLIDING T-SLIDING U〜Just Bacharach』(What's New)
#260『カウント・ベイシー・オーケストラ・イン・アムステルダム1956』(55 Records)
#261『Nautilus / Nautiloid Matter』(Palette Sound)
#262『code”M”/美宇宙の饗宴』(Wisteria)

INTERVIEW
#144「Josh Evansジョシュ・エヴァンス 」齊藤聡

LIBRARY
#82『日本のジャズは横浜から始まった』稲岡邦弥

CONCERT/LIVE REPORT
#860「蜂谷真紀・村田直哉 公開ライヴレコーディング」安藤誠
#861「コリン・ヴァロン・トリオ」平井康嗣
#862「第6回 雅楽と国際文化交流」稲岡邦弥
#863「吉田野乃子@The Stone, NY」蓮見令麻
#864「田崎悦子『三大作曲家の遺言』最終回」伏谷佳代
#865「エリソ・ヴィルサラーゼ ピアノ・リサイタル」伏谷佳代
#866「戦後・日本のジャズは氷川丸から始まった」稲岡邦弥
#867「Jazz Treffen 2015高瀬アキ ルディ・マハール ニルス・ヴォグラム」稲岡邦弥
#868「カマシ・ワシントン」神野秀雄
#869「このライヴ/コンサート 2015(国内編)」
#870「このライヴ/コンサート 2015(海外編)」

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