amazon

Vol.99 | 『マグナス・ヨルト・トリオ/サムデイ、ライヴ・イン・ジャパン』text by Kimio OIKAWA

Cloud/バウンディ DDCJ-4001 ¥2,625(税込)

マグナス・ヨルト(p)
ペーター・エルド(b)
池長一美(ds)

  1. エヴリシング・アイ・ラヴ**
  2. いつか王子さまが***
  3. アスク・ミー・ナウ***
  4. 浮気はやめた!*
  5. マイルストーンズ*
  6. A列車で行こう*
  7. ベス、ユー・イズ・マイ・ウーマン・ナウ**
  8. いつか王子さまが(ボーナス・トラック)*

録音:2009年6月26,27,28日@お茶の水 NARU*、渋谷 松涛サロン**、立川 ジェシー・ジェームス***
Recording and Mastering Engineer:Akihiko Goto
Producer:Yoko Yoneyama
Associate producer:S_ren Friis

ジャズの音源をワンポイント録音で聞かせる。これをそのレーベルの特長として、今なお信頼を得ているタッド・ガーフィンクル主宰するMA Recordings が有名。かつてチェスキーが、高音質レーベルとして喝采を浴びていた。この二つに共通する事は、ワンポイントを成功させるために、会場の響きを厳守。マイクに対して、楽器演奏の配列を決め、これで音響的なバランスを整えていた。
ところが、このディスクは違う。通常のジャズのライブハウスだ。楽器演奏の配置は、ステージの配置優先で、ピアノはこっちに向けて、ドラムスは後ろに!なんて勝手なことは許されない。そのライブハウスのワンポイント録音である。
聞いていて度肝を抜かれたのは3曲目、4曲目と、録音場所が異なり、ワンポイントがあからさまにする音場感が見事に統一されていることだ。ベースやドラムスに音場の雰囲気の違いを聴く事は出来るが、ここまで神経を使って統一感をやり遂げた録音に脱帽。
一言、やっぱりワンポイントは基本の録音だ。位相ひずみが無いから音が澄んでいる。方向定位も自然だ。パンポットで振った定位とは違い、遠近感が極めて自然に現れる。ピアノの音像が確かなことも特筆すべきものだ。ピアノが強烈に近い音像であることが、MA Recordingsや チェスキーとは違う。ピアノの外周にベースがありドラムスがあり、オーディエンスが囲む。ピアノのチューニングの確かさも評価すべきだ。録音を意識したかは分からないが、極めて丁寧なチューニングがなされていて、聞いていて気持ちが良い。ライブハウスのオーナーの心意気もうかがえる。

及川公生:1936年、福岡県生まれ。FM東海(現・FM東京)を経てフリーの録音エンジニアに。ジャスをクラシックのDirect-to-2track録音を中心に、キース・ジャレットや菊地雅章、富樫雅彦、日野皓正、山下和仁などを手がける。2003年度日本音響家協会賞を受賞。現在、音響芸術専門学校講師。著書にCD-ROMブック「及川公生のサウンド・レシピ」(ユニコム)。

JAZZ TOKYO
WEB shoppingJT jungle tomato

FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


Copyright (C) 2004-2015 JAZZTOKYO.
ALL RIGHTS RESERVED.