Vol.2 
text & photos by 田中鮎美

 ここ最近のオスロは夜の22時くらいまで空が明るい。長くて薄暗い冬を乗り越え、やっと迎える春の陽気に心がはずむ。木々は緑をつけ、あちこちで色とりどりの花が咲いていている。鳥は美しい声で鳴き、まるで春の訪れを祝福している様子。天気のいい日には、公園や広場で日光浴している人の姿がたくさん見られる。待ち望んでいた太陽の恵みを存分に楽しんでいるようだ。
 オスロに来て約9ヶ月が経ち、ようやくここでの暮らしに慣れてきた。素晴らしい音楽や、親切な人々、山や海、川、湖などの豊かな自然に支えられて暮らしている。今回はこの9ヶ月ほどで私が見たり感じたりした、オスロの人々の暮らしの様子や、街の様子などについて少し紹介したい。

♪ 道を歩いていると

 オスロには子供と犬が本当に多い。歩いていると、かわいらしい子供と犬を見るのに夢中になってしまうくらい。ノルウェーでは父親も育児休暇を取れるそうで、お父さんが子供を連れている姿をよく見かける。犬は散歩中、紐で繋がれていないことが多く、自由に歩くのを楽しんでいる。犬もバスや路面電車、地下鉄に乗ることができるので、一緒にどこへでも出掛けられる。

♪ ノルウェーの家

 オスロを歩いていると、色とりどりの素敵な家に出会う。街の中にある家はたいていがアパートメントで、郊外には比較的大きな一軒家が多い。家を眺めながら歩くとあっという間に時間が過ぎてしまう。夜になると、暖かい照明が家の中に灯され、街を彩る。
 私はというと、学生寮の部屋を借りて暮らしている。オスロには学生のためのハウジング・サービスがあって、ほとんどの学生がそこから学生寮を借りて暮らしている。街の中にあるところもあれば、山や湖からすぐ近くの自然豊かな地域にあるところもある。物価の高いノルウェーでは、一般のアパートに比べ低価格で暮らせる学生寮はとても人気で、いつもほとんどの部屋が埋まっている。学生寮と言っても、子供を育てながら学生をしている人もいるので、家族で暮らせる部屋や、託児所が備え付けられているところもある。様々な人のことが配慮されている環境は素晴らしいと思う。

♪ ノルウェーの食事

 ノルウェーの人の主食はパンを中心にイモやお米など。それらとお肉やお魚料理などを一緒に食べるのが一般的。学校には食堂があって、学生はそこで昼食や夕食をとる。メニューはパンやサンドイッチ、スープやサラダ、プレートに載ったお肉やお魚料理など。パンにチーズを載せたものや、自分で作った簡単なご飯を持参する学生も多い。アイスクリームの箱をお弁当箱にしていたりして、そういうところがいかにもノルウェー人らしい。
 私はほとんど自炊しているので、スーパーマーケットによく足を運ぶ。ノルウェーのスーパーの魅力は、チーズやミルク、ヨーグルトなどの乳製品が豊富なところ。他に、ブルーベリーやラズベリーなどのベリー類も豊富で、見ていて楽しい。ノルウェーではお寿司が人気で、ほとんどのスーパーで売られている。お寿司を作るための材料や用具のキットなども売られていたりする。また、街のいたるところにお寿司屋さんがあり、すべての通りにあるとも言われているほどだ。
 ノルウェーには日本ほど数多くの外食のお店はないが、ほとんどのレストランはいつも沢山のお客さんで賑わっている。最近は天候もよくなってきたので、テラス席はワインやビールを飲みながら食事を楽しむ人をよく見かけるようになった。平日のお昼でも沢山の人で賑わっている。また、ノルウェーの人はとてもコーヒーが好きなようで、あちこちに素敵なカフェがある。カフェも時間を問わずにいつも沢山の人で賑わっている。

♪ ノルウェーのCDショップ

 ジャズ専門のCD屋さんとしてBare Jazzというお店がある。街の中にあるが、とても落ち着いていて素敵な場所。日本では手に入りにくい北欧のジャズのCDやレコードがずらりと並んでいる。ノルウェーのコーナーにはたくさんのCDがあって、この国には本当に多くのミュージシャンがいるんだなぁと改めて感じさせられる。店内にあるCDはどれでも試聴させてもらえる。またカフェが併設されていて、たまに生演奏が行われることもある。

♪ ノルウェーのジャズが聴ける場所

  ノルウェーにはジャズの生演奏を聴ける素敵な場所がいくつかあるので紹介したい。一番、知名度があるのは、Victoria Nasjonal Jazzscene (http://www.nasjonaljazzscene.no/) 。週に4日程コンサートが行われていて、ノルウェーの他、ヨーロッパ、アメリカ等からミュージシャンがやって来る。シーズンチケットというのがあり、それを購入すれば半年間、いつでも好きなコンサートを見ることができる。とても気軽に音楽に触れることができるのが魅力的。いつもほぼ満席で、特に週末は本当にたくさんのお客さんで賑わう。お客さんの層も幅広く、若者からお年寄りまで様々だ。ミュージシャンとオーディエンスが一緒になって、音楽シーンを盛り上げていることを感じさせられる。
 他に、Herr Nilsen (http://herrnilsen.no/)やbidrobon (http://bidrobon.no/V12.html#neste)、Cafe Mir (http://www.lufthavna.no/cafe-mir/) 、BLÅ (http://www.blaaoslo.no/)などがあり、地元のミュージシャンを中心にバラエティ豊かなコンサートが行われている。その他、美術館や図書館などの様々な場所でコンサートが行われることもある。

♪ これから

 ノルウェーではこれから夏に向けて暖かくなって過ごしやすい気候になるだろう。短い夏をめいっぱい太陽の光を浴びながら過ごしたい。8月にオスロで行われるOslo Jazz Festivalをはじめ、様々な街でジャズ・フェスティバルなどの音楽イベントが行われる。街が音楽で賑わうのを楽しみたい。

田中鮎美:
3歳から高校卒業までエレクトーンを学ぶ。エレクトーンコンクール優勝、海外でのコンサートなどに出演し世界各国の人々と音楽を通じて交流できる喜びを体感する。
その後、ピアノに転向。ジャズや即興音楽を学ぶうちに北欧の音楽に強く興味を持つようになり、2011年8月よりノルウェーのオスロにあるノルウェー国立音楽大学(Norwegian Academy of Music)のjazz improvisation科にて学ぶ。Misha Alperinに師事し、彼の深い音楽性に大きな影響を受ける。

JAZZ TOKYO
WEB shoppingJT jungle tomato

FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


Copyright (C) 2004-2015 JAZZTOKYO.
ALL RIGHTS RESERVED.