house of jazz HOJ-100326 ¥2,800 (税込)
Mizuho (vo)
タイガー大越 (tp,flgh)
レオ・ジノヴァセ (p,synth)
ジャスティン・パーティル (b)
ランディ・ルニョン (g)
ジェームス・ウィリアムス (ds)
小川慶太 (perc)
1.オーバー・ザ・レインボウ
2.コルコバード
3.マイ・フェイバリット・シングス
4.ヒア・ゼア・アンド・エブリホエア
5.スターズ・アンド・ア・ムーン
6.メモリーズ・オブ・ユー
7.ドリーム
8.ワルツ・フォー・デビー
9.ア・タイム・フォー・アス
録音:ピーター・コントリマス@PBS , Westwood, MA, 1.13~16, 2010
Mix:ピーター・コントリマス@PBS, Westwood, MA, 1.17~18, 2010
マスタリング:アラン・シルヴァーマン@Arf ! Digital NY, NY, 1.24,2010
プロデューサー:タイガー大越
アレンジと録音の関わりを明確に表したCDだ。つまり自然体でサウンドがいいのだ。録音に仕掛けたテクニックをあからさまに披露するのではなく、自然体で出来上がった音のスペースで、すべてが語られる。だから気持ちが良い。
仕掛けたテクニックで目立つのはリバーブだけ、と素っ気ないが、これが生き生きとした大自然の空間を生み出す。出音が良ければマイキングなんて,仕掛けの思考がなくてもいい音なんだよ!これを地でいっている高音質録音だ。
ボーカルのつぶやきから叫びまでの、ダイナミックレンジのなだらかな自然さがあり、故意の仕掛けがないから気持ちが良い。アレンジの見事さに音楽が泳ぐから、強調の仕掛けなしにパーカッション、ドラムスが気持ち良く浮かび上がり、パシッ!とスネアーが浮かぶ。タムが音像の中で墨汁の濃いエッジを浮かび上がらせる。ベースもピアノもしかりだ。音像のエッジの強調感が無いのに、それぞれの音像が自然体で空間に浮かぶ。時に非常に明解に切れ味を伴って。ピアノに仕掛けたリバーブと、シンセの音像、これらが絶妙の空間表現でボーカルと一体化する。時間をかけたミックスに潜むバランスの見事さ、ここにあるのは、音響的な仕掛けは愚!を地でいっている音の空間だ。テクニックによるメリハリの強調が無くとも、自然に浮かび上がる音像だけにライブ感覚で聞けて、わざとらしさを感じない。トランペットが時に高音域強調に聞こえたり、柔らかくホットなサウンドになったり、それをマイクに向かって、どう吹けばいいかの姿勢だけで出来ているフシがある。エンジニアがサポートしたか、タイガーが知っていたか、EQに頼らない自然な音色のコントロールが見事。
*関連リンク
Live Report:
http://www.jazztokyo.com/live_report/report258.html
CD Review:
http://www.jazztokyo.com/five/five674.html
及川公生:1936年、福岡県生まれ。FM東海(現・FM東京)を経てフリーの録音エンジニアに。ジャスをクラシックのDirect-to-2track録音を中心に、キース・ジャレットや菊地雅章、富樫雅彦、日野皓正、山下和仁などを手がける。2003年度日本音響家協会賞を受賞。現在、音響芸術専門学校講師。著書にCD-ROMブック「及川公生のサウンド・レシピ」(ユニコム)。
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
:
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
:
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
:
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
:
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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