寺久保エレナ/ノース・バード text by Kimio OIKAWA

Blue in Green/キング・レコード DRH-22012 \3,000

01.イエス・オア・ノー
02.ブラック・ナルシサス
03.ステイブルメイツ
04.マイ・フーリッシュ・ハート
05.ノース・バード
06.イッツ・ユー・オア・ノー・ワン
07.サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム
08.ティム・タム・タイム
09.ライク・ザ・サンライト
10.テイク・ジ・A・トレイン

寺久保エレナ(alto saxophone)
ケニー・バロン(piano)
クリスチャン・マクブライド(bass)/(10)を除く
リー・ピアソン(drums)/(10) を除く
ピーター・バーンスタイン(guitar)/(3)と(9)のみ
 
録音:鈴木良博@アヴァター・スタジオNY、2010年3月28,29日
   Direct to 2-track Recording
マスタリング:鈴木浩二@ソニーミュージック乃木坂スタジオ
プロデューサー:伊藤八十八

サウンド全体を支配するアナログ感覚に惹かれる。せいぜいリバーブが目立つだけの誇張のない音空間が広がる。マイキングに神経を尖らせ、ここに一発を決めた狙いを感じる録音だ。
個々で言うなら、質量のしっかりしたピアノの音と距離感の空間表現に、響きの開放感が造られている。低音域のずっしりしたベースの唸りと明瞭な音像と、アルコの録り方に驚嘆。距離感を感じさせながらも、エッジのしっかりしたドラムスの極太の音像と輪郭の描き方に驚く。そしてアルトサックスの穏やかな空気感と艶のある音の飾り。音量を小さくしても、それぞれの楽器の存在感が、濃厚なエッジで浮かび上がるのだ。ギターの空間表現でライン臭さが抜けていて、アコースティックなしなやかさを感じ、気持ちが良い。アルトの暖かさを感じる音の艶に、バックの自然な音場が柔らかく溶け込んでいる風景がたまらない。
エンジニアの志すサウンドの構成が、聴く者に心地よく届く優れた録音だ。低音域の安定感と、全体を覆う空間の表情から、忘れていたアナログの雰囲気さえ感じるのだ。DSD 1 bit 録音と聞いている。2チャンネル一発録りの緊張感と新鮮さは、ジャズサウンドの醍醐味である。
* アルバム・レヴュー(悠 雅彦):
http://www.jazztokyo.com/five/five688.html

及川公生:1936年、福岡県生まれ。FM東海(現・FM東京)を経てフリーの録音エンジニアに。ジャスをクラシックのDirect-to-2track録音を中心に、キース・ジャレットや菊地雅章、富樫雅彦、日野皓正、山下和仁などを手がける。2003年度日本音響家協会賞を受賞。現在、音響芸術専門学校講師。著書にCD-ROMブック「及川公生のサウンド・レシピ」(ユニコム)。

WEB shoppingJT jungle tomato

FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


Copyright (C) 2004-2015 JAZZTOKYO.
ALL RIGHTS RESERVED.