#  このCD2011海外編#11

『FMP Im Ruckblick - In Retrospect』
text by 横井一江


FMP

CD1 (FMP CD137) BADEN-BADEN ’75 / Globe Unity Orchestra & Guests (1975)
CD2 (FMP CD138) IN BERLIN / Steve Lacy Solo & Quintet (1975/77)
CD3 (FMP CD139) MESSER und… / Schweizer/Carl/Moholo (1975/77)
CD4 (FMP CD140) AT QUARTIER LATIN / Schlippenbach Quartet (1975/77)
CD5 (FMP CD141) WOLKE IN HOSEN / Peter Brotzmann Solo (1976)
CD6 (FMP CD142) UND?...plus / Malfatti, Wittwer (1977)
CD7 (FMP CD143) PIANO SOLO / Fred Van Hove (1981/86)
CD8 (FMP CD144) CLOSE UP / Peter Brotzmann: Die Like A Dog (1994)
CD9 (FMP CD145) CHORAL-KONZERT / Manfred Schulze Blaser Quintett (1998)
CD10 (FMP CD146) LIVE IN BERLIN / Manuela + Carl/Reichel/Zingaro + Jin Hi Kim (1999)
CD11 (FMP CD147) WAS DA IST (Live) / Peter Kowald (2000)CD12 (FMP CD148) STRETTO / Honsinger & Rupp (2010)
A Book (218p)

ヨーロッパそして世界のフリー・ミュージックの諸相を映すブックレット

本稿をいったん書き終えたところ、締め日直前にLPサイズの分厚い箱に入りのCDボックスが届いた。中を開け、ブックレットを取り出し、CDをプレーヤーにのせたところで気が変わった。今年のベストはこれだ、と。ふつう今年のベストというのならば、一年間にリリースされたもので一番気に入ったものということになるのだろうが、ベストはベストでも企画としてのベストということでFMPボックスを選んだ。その最大の理由は218ページのブックレット(ドイツ語、英語)にある。巻頭にはペーター・ブロッツマンの言葉、そしてベルト・ノグリックやビル・シューメイカーといった評論家、ジャズ・インスティチュート・ダルムシュタッドの館長ウォルフラム・クナウアーなどのテキスト、ダグマー・ゲーバースが撮影した沢山の写真、フェスティヴァルやコンサート、そして録音物のデータが掲載されている。FMPを立ち上げたてから約40年、録音だけではない自らの活動歴を記録として残し、歴史化していこうという意志がここにある。それは長年制作に携わってきたヨスト・ゲーバースの意志なのだろう。単にドイツのフリー・ミュージックだけではなく、ヨーロッパそして世界のフリー・ミュージックの諸相、その変遷が読み取れる。それはブルーノートやECMの歴史以上に私的には興味深い。なぜならば、ミュージシャンの自主組織としてスタートしたFMPはレコード会社ではなく、シーンと密接に結びついたオーガナイザーでもあったからだ。(横井一江)

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FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


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