本誌のLive Report #380（http://www.jazztokyo.com/live_report/report380.html）でリポートした通り。古希を迎えたペーター・ブロッツマンを中心とするブロッツ・フェスの最終日。ブロッツ（独）、フレッド（仏）、ポール（ノルウェー）のヨーロッパ・トリオに日本から佐藤と坂田が参加。ユニットによるフリー・インプロヴィゼーションの模範となるような演奏で、日本の若手インプロヴァイザーたちにこそ聴いて欲しかった気がする。各メンバーが注意深く他のメンバーの音に耳を傾けながら自己主張（ソロ）とアンサンブルの一員としての役割を果たし、あたかもコンテに沿って進行しているかのように“音楽的な”展開を見せた。コントロール・タワー的な存在感を見せたのは佐藤允彦。他のメンバーを自由に泳がせたり、手綱を引き締めたり。初来日のフレッドとプロモーターのマーク・ラパポートに“今やピットインのハウス・ドラマー的存在”と紹介されたポールの“耳”も素晴らしく、ブロッツに最高の古希のギフトを進呈した。この“一期一会”の素晴らしい出会いがドキュメントされ、世界中の音楽ファンの耳に届けられれば、と願わざるをえなかった。（稲岡邦弥）　

*関連リンク：
http://www.jazztokyo.com/live_report/report380.html