# ことしのこのライブ/このコンサート2011(海外編)#05
『ジャコ・パストリアス・ビッグ・バンド』
text by 竹村洋子
2011年11月20日 @ブルーノート東京
Photo: 山路ゆか(提供:Blue Note TOKYO
メンバー写真:竹村洋子
ピーター・グレイヴス(conductor)
リチャード・ボナ(b)
ピーター・アースキン(ds)
ダミアン・アースキン(b)
ジェイソン・カーダー(tp,flh)
ウォルター・ホワイト(tp,flh)
ケン・フォーク(tp,flh)
ダナ・タボー(tb)
ジョン・クリッカー(tb)
マイク・ブリグノラ(sax,cl)
エド・カーレ(sax)
ビリー・ロス(sax,fl,piccolo)
ゲイリー・ケラー(sax,fl)
ジム・ゲイザー(eky)
ランディ・バーンセン(g)
ジェフ・カースウェル(b)
マーク・グリフィス (ds)
ビッグバンドのライブを聴いて、珍しく涙が出た。
生誕60周年という事で来日したピーター・グレイブスが率いるジャコ・パストリアス・ビッグ・バンドのライブでである。
ショウ1曲目の<ソウル・イントロ - ザ・チキン>でいきなり鼻をへし折られた様な衝撃を受けた。その後、バラードやアップテンポの曲の数々。ウェザーリポート時代からのジャコの名曲が続き、30年程前を懐かしく想い出したが、単なるノスタルジーではない。
メリハリのある選曲、主としてマイアミで活動する優秀なミュージシャン達によるアンサンブルやソロ、ゲストのピーター・アースキン(ジャコの盟友、ドラムス)、ダミアン・アースキン(ベース)、日本でもファンを多く持つリチャード・ボナ(ベース)の存在感、そしてジャコのバンドでも活動していたピーター・グレイブスの見事なバンドの統率力。すべてが完璧に溶け合い、オリジナル「ジャコ・パストリアス・ビッグ・バンド」の演奏をさらに洗練させ、昇華したものとなっていた。
文句なく、ビッグバンドの迫力と楽しさが満喫できたゴージャスなライブだった。
私は1982年の日本武道館での伝説のパフォーマンスと言われているライブのDVDは何度見ても飽きない。あのライブで、ジャコが本当に楽しそうに微笑みながら、時々体を半分へし折って演奏する姿が目に焼き付いている。
ブルーノートでの全公演が終わった後、メンバーの数人に “素晴らしかった!あなた達の様な素晴らしいミュージシャンがジャコのスピリッツを確実に受け継いでる事を本当に嬉しく思う。天国でジャコはきっとみんなを見ながら微笑んでるわよ!”と言ったらメンバー達は黙って微笑み返してくれた。
後日、ブルーノートのジェネラル・マネージャー中村氏より、“お陰様で圧巻のステージで、大盛況でした。まさに今年のベストライブでした!”との大変嬉しいメッセージを頂いた。(竹村洋子)
* 関連リンク:
http://www.bluenote.co.jp/jp/artist/jaco-pastorius/
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