#  このCD2012国内編#11

『志人・スガダイロー/詩種』
text by 横井一江


VELVETSUN PRODUCTS
VSP-0003 ¥2,500(税込)

志人(vo, 朗読)
スガダイロー(p)
東保光(b) #track 2,3,5,7,10,12,14
服部マサツグ(ds) #track 2,3,5,7,9,10,12,14

1. 白猿と赤鼻天狗 壱
2. アルカロイド-雑木林は愛の詩-
3. いざよいうた
4. 白猿と赤鼻天狗 弐
5. 珠算遊戯
6. 白猿と赤鼻天狗 参
7. 謎
8. 白猿と赤鼻天狗 四
9. カムトナル
10. 狐の嫁入り
11. 白猿と赤鼻天狗 伍
12. わとなり
13. 白猿と赤鼻天狗 陸
14. ニルヴァーナ-涅槃寂静-

Recording Dates:2012.5/1,8 at studio Dede

「ヒップホップ×フリージャズ!」という謳い文句につられて購入。どんな尖った音が飛びだしてくるかと構えていたら、それはあっさりと裏切られた。スガダイローのピアノを背景に、むかし話を語るような妙にほのぼのとした口調で、檜原村を舞台にした物語を志人が語り出す。<白猿と赤鼻天狗>というおはなしの始まりだった。途中他の寓話が語られたり、うたが出てきたり。うたもまた、民謡や読経にも似た抑揚や間合いを感じさせるところがあるためか、昭和以前の日本のどこかに繋がっているようで、懐かしくきこえる。だが、奇妙に新鮮なのだ。語りや歌のバックで言葉に付随する音が鳴っているだけなら、聞いているうちに退屈になったかもしれない。そうならなかったのは、背景で緩急自在に変化するサウンドが様々な情景を呼び込んでいるからだろう。異類無碍とはこのこと。ジャズやヒップホップは都会の、あるいはストリートの音ではなかったのか。しかし、東京の辺境である檜原村のお話にあるのは田舎の風景であり、山あいの風景。未だ知らぬ世界は新鮮である。七角形の包みを開くと蓮華の中に鎮座しているかのようにCDが現れる特殊パッケージがまたいい。(横井一江)

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