“ニュー・ジャズ”などと聞くと、ぼくなどはすぐに、ごりごりの前衛ジャズを想像してしまうのだが、最近では踊れて愉しめるジャズ〜ＤＪやダンサーがフロアに適応するジャズ〜を指すようである。その分野で著名な、レコード番長の異名もあるジャズＤＪ、須永辰雄。氏の周辺にはこの“ニュー・ジャズ“の新進達も多いが、そうしたユニットの一つ“TRI4TH（トライフォース）”の新作『ファイブ・カラー・エレメンツ』の売り込みが、ぼくの番組にあり、聴いてみるとこれがじつに溌剌として格好良い。典型的な２管クインテットで、4枚目になるこの新作はセルフ・プロデュースで、全曲彼らのオリジナル。全盛時のハード・バップ・ユニットを思い起こさせる…と同時に、一時話題を集めたイタリアのネオ・ハードバップ・ユニットなどにも拮抗出来そうな、意外なほどのスタイリッシュさで纏め、新鮮な驚きだった。ジャズの世界も知らぬうちに、また新たな動きが見られるようだ。
（小西啓一）

http://www.tri4th.com