# このCD2014海外編#12
『Mike Nock Octet/Suite Sima』
text by Masahiko Yuh
この数年を振り返って何よりはっきりしたのは、レコード(CD)を聴く機会が年ごとに少なくなりつつあること。裏を返せば、さまざまな理由でCD文化が後退しつつあるということだろう。CDが売れなくなったら、レコード会社はいかなる策をうつのだろうかと心配にもなる。別に私が気を揉むこともないが、気にはなる。反対にというべきか、個人的にはますますライヴにのめり込むかのごとくまさに食べ(聴き)歩いた。本当ならCDベストは蹴って、LIVEベストだけをベストテンに拡大して選びたい気持だ。音楽はライヴに限ると日ごろから吹聴していたことからいえば、ごく自然に平均で週に3、4日はライヴを聴いて過ごした、ことになる。それもジャズのみならず、クラシックや邦楽も含む中での選出だから、ややこしいのはさておき、ベストスリーにしぼるのが実に難儀だった。そこで余計なコメントは控えて、最後にベストスリーからはみ出した優秀盤、及び秀逸ライヴを列挙して締めくくりたいと思う(なお、下記の順位は便宜的なもの)。
1.『Mike Nock Octet/Suite Sima』
2.『アヴィシャイ・コーエン/アルマ』
(parlophone〜ワーナー・ミュージック・ジャパン WPCR-15557)
3.『Genzo Okabe(岡部源蔵)/Second Line』
(O.A.P. Records OAPR-1404)
* 『ジョシュア・レッドマン/トリオズ・ライヴ』
(ノンサッチ WPCR - 15881)
● 印象深かった海外ジャズ・ヴォーカルCDに、『Franck Amsallem/Songs Vol.2』(FRAM)、『イザベラ・ラングレン/Somehow Life Got in the Way』(Ladybird〜Spice of Life)、『ローレン・ニュートン&佐藤允彦/Skip the Blues』(Mobys Chitei Records)がある。
● 海外CD盤で、セロニアス・モンクのアムステルダムにおけるライヴ(1961年5月)CD『Jackieーing』(Jazzarchief〜55Records)。この2枚組で、全盛期のモンク・クヮルテットの素晴らしさを改めて満喫した。(悠 雅彦)
悠 雅彦 Masahiko Yuh
1937年、神奈川県生まれ。早大文学部卒。ジャズ・シンガーを経てジャズ評論家に。現在、朝日新聞などに寄稿する他、ジャズ講座の講師を務める。
共著「ジャズCDの名盤」(文春新書)、「モダン・ジャズの群像」「ぼくのジャズ・アメリカ」(共に音楽之友社)他。本誌主幹。
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
:
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
:
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
:
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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