# このライブ/このコンサート2015海外編#05
『ブルーノート・ジャズ・フェスティバル・イン・ジャパン 2015』
『Blue Note JAZZ FESTIVAL in Japan 2015』
2015.9.27 13:00-20:45 横浜・赤レンガ野外特設ステージ
text by Hideo Kanno 神野秀雄
Hiatus Kaiyote
Pat Metheny with Blue Note Tokyo All-Star Jazz Orchestra featuring
Scott Colley and Dan Gottlieb Jazz Orchestra directed by Eric Miyashiro\
Snarky Puppy
Robert Glasper Trio
Incognito
Jeff Beck
Soil & “Pimp” Sessions
Tatsuo Sunaga 須永辰夫
“ニューヨーク最大のジャズフェス”が、1日の野外フェスに形を変え、今年初めて横浜で開催されたブルーノート・ジャズ・フェスティバル・イン・ジャパン。集客が期待できる往年のジャズ・フュージョンのレジェンドに重点を置くよりも、ロバート・グラスパー、ハイエイタス・カイヨーテ、スナーキー・パピーなど、より最新のジャズシーンにフォーカスし、観客を熱狂させたこと、観客の年齢構成で若い方への拡張に成功していることなど、今後の日本のジャズフェスの明るい未来を見せてくれた。また”立見席”が芝生席的にも機能し、小学生以下無料など、それぞれに居心地のよい空間を作り、トータルでも想像したよりも気持ちのよいジャズフェスだった。
パット・メセニーは、エリック・ミヤシロ率いるブルーノート東京・オールスター・ジャズ・オーケストラとの共演。エバーハルト・ウェーバーのヤン・ガルバレク・グループにおけるベースプレイをヴィジュアルサンプリングしてビッグバンド作品に作曲し、2015年1月にシュツットガルトのエバーハルト・ウェーバー75歳祝賀コンサートで初演された<Hommage>を、エリックの指揮でデトロイトに続いて演奏した。祝賀コンサートもすばらしくライブレポートをご参照いただきたいが、早速、日本で聴く機会を作ってくれたのが嬉しかった。横浜は3カ所の演奏の中でもパットとしても最も満足のいく演奏となったのではないかと思う。なお、シュツットガルトのコンサート録音は、『Hommage a Eberhard Weber』(ECM2463)としてリリースされている。
『矢野顕子/Welcome Back』でのチャーリー・ヘイデンとピーター・アースキンとの素晴らしいコラボレーションを別格として、これまでパットと日本のミュージシャンの本格的共演はなかった。日本最高のブラスセクションを擁し、エリックのオリジナルアレンジを採用、時間をかけた綿密なリハーサルの中から素晴らしいサウンドが生まれた。この過程でパットの真摯で妥協しない音楽への姿勢が日本のトップミュージシャンたちに与えた影響は大きい。
2016 年の開催、そして、他のジャズフェスを含め、日本のジャズシーンへの波及効果を楽しみにしたい。
詳細はライブレポートを参照
http://www.jazztokyo.com/live_report/report851.html
エバーハルト・ウェーバー 75歳祝賀コンサート
バーデン・ヴュルテンベルク州 特別功労賞ジャズ賞 授賞式 http://www.jazztokyo.com/live_report/report782.html
『Hommage à Eberhard Weber with Pat Metheny, Jan Garbarek, Gary Burton, Scott Colley, Danny Gottlieb, Paul McCandless and the SWR Big Band』 (ECM2463)
http://www.jazztokyo.com/five/five1250.html
デトロイト・ジャズ・フェスティバルにおける<Hommage>北米プレミア by 鈴木貴浩
http://www.jazztokyo.com/live_report/report847.html
Hommage à Eberhard Weber with Pat Metheny, Jan Garbarek, Gary Burton, Scott Colley, Danny Gottlieb, Paul McCandless and the SWR Big Band (ECM2463)
神野秀雄 Hideo Kanno
福島県出身。東京大学理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。保原中学校吹奏楽部でサックスを始め、福島高校ジャズ研から東京大学ジャズ研へ。『キース・ジャレット/マイ・ソング』を中学で聴いて以来のECMファン。東京JAZZ 2014で、マイク・スターン、ランディ・ブレッカーとの“共演”を果たしたらしい。
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
:
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
:
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
:
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
:
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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