# 1265
『GRIENER - MAHALL - RODER - THEWES: SQUAKK/WILLISAU & BERLIN』
test by Kazue 横井一江
Intakt CD 231 |
Michael Griener(Drums)
Rudi Mahall(Bass Clarinet, Clarinet, Baritone Saxophone)
Jan Roder(Bass)
Christof Thewes(Trombone)
1. NOVA SWING (Thewes)
2. BLUE CHILI OUT (Thewes)
3. DRAW (Griener)
4. A DUNE, PERHAPS (Griener, Mahall, Roder, Thewes)
5. MOSTLY HARMLESS (Griener)
6. WAS AUS (Roder)
7. SCHLIMMER GEHT NIMMER / SCHLIMMER GEHT IMMER (Thewes)
8. TRINKLIED (Griener)
9. LARK'S WAIL (Griener, Mahall, Roder, Thewes)
10. AUF DER SCHNERR (Thewes)
Recorded and mixed by Jean-Boris Szymczak & Andreas Stoffels at Studio P4, Berlin, on Nov. 27, 2012
"Nova Swing" (1), "Draw" (3), "Schlimmer geht nimmer/Schlimmer geht immer" (7) recorded by Martin Pearson at Jazzfestival Willisau on Sept. 1, 2013, for SRF 2 Kultur,
recording producer for SRF 2 Kultur: Peter Burli;mixed by Christian Weber
ベルリンのミュージシャンによるユニット「スクアック Squakk」による第2作目。スクアックはミヒャエル・グリーナー、ヤン・ローダー、クリストフ・テーヴェスの3人によって結成されたが、本盤はその3人にルディ・マハールが加わったカルテット編成での録音。4人共アクティヴなベルリンの音楽シーンで活躍しているミュージシャンだ。グリーナー、ローダー、テーヴェスはウルリッヒ・グンペルト・ワークショップ・バンドのメンバー、マハールとテーヴェスはグローブ・ユニティ・オーケストラにも参加、マハールとローダーは「ディー・エントトイシュングDie Enttaeuschung(「失望」という意味)」とアレクサンダー・フォン・シュリッパンバッハ「モンクス・カジノ」のメンバー、そしてまたマハールは高瀬アキの主要プロジェクトに参加…と書き始めると、彼らの活動から音楽シーンでの人的な交流関係とその広がりが垣間見えてくる。
本盤では、インスタント・コンポジションのトラック4<A DUNE, PERHAPS>とトラック9<LARK'S WAIL>を除いて、グリーナー、ローダー、テーヴェスのオリジナル作品を演奏している。スウィングあり、アブストラクトな展開あり、だがいずれも作品の構成をしっかり見据えたタイトな演奏となっている。彼らにとってスウィング、モダン、フリーの間にボーダーなどはないのだ。中でもライヴの高揚感がよく現れているのはスイス、ヴリザウのジャズ・フェステヴァルでライヴ録音のトラック1<NOVA SWING>。アンサンブルから即興演奏を折り込みながらのモダン、フリーな展開がいかにも彼ららしい。リズム・セクションとして様々なプロジェクトに参加しているグリーナーとローダーが創るスペースで、マハールとテーヴェスをという巧者2人のインプロヴィゼイションが生きる。トロンボーン・トリオだった前作に比べて、ぐっと表現の幅が広がり、面白みが増したのは、カルテット編成になったことと共にマハールの存在が大きいといえる。特筆すべきは、マハールがバリトンサックスをトラック8<TRINKLIED>、トラック9<LARK'S WAIL>で吹いていること。これがなかなか興味深かった。
* ルディ・マハールは高瀬アキ、ニルス・ヴォグラムと共に来日、11月27日から12月6日にかけて各地で演奏する。
詳細は:
横井一江(Kazue Yokoi)
北海道帯広市生まれ。The Jazz Journalist Association会員。音楽専門誌等に執筆、 雑誌・CD等に写真を提供。海外レポート、ヨーロッパの重鎮達の多くをはじめ、若手までインタビューを数多く手がける。 フェリス女子学院大学音楽学部非常勤講師「音楽情報論」(2002年〜2004年)。著書に『アヴァンギャルド・ジャズ―ヨーロッパ・フリーの軌跡』(未知谷)。趣味は料理。
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