#  680

エマニュエル・パユ / ファンタジー〜オペラ座の夜
text by Minoru AIHARA

EMIミュージック TOCE-90129 ¥3,000(税込)

エマニュエル・パユ(fl)
*ジュリエット・ユレル(fl)
ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
ヤニック・ネゼ=セガン(cond)

1. クラカンプ:椿姫幻想曲Op.248(フルートと管弦楽のための)
2. チャイコフスキー:レンスキーのアリア〜『エフゲニ・オネーギン』(ブラウンシュタイン編)
3. フォッブス:モーツァルトの『魔笛』による幻想曲
4.ビゼー:間奏曲〜『カルメン』
5.ドップラー:リゴレット幻想曲Op.38-2(フルートと管弦楽のための)*
6.グルック:メヌエットと精霊の踊り〜『オルフェオとエウリディーチェ』*
7.タファネル:『魔弾の射手』による幻想曲
8.ボルヌ:『カルメン』による華麗なる幻想曲(オーケストレーション:レイモンド・メ

録音:2009年7月11-14日(オランダ、ヒルヴェスム)

 オペラの名曲をフルート用にパラフレーズしたオペラ名曲集。ベルリン・フィルの首席フルート奏者、エマニュエル・パユをソロイストに迎え、その艶やかな音色と自在な抑揚から生まれる名歌がメドレー風に楽しめる。いわば「歌手ではなくフルーティストが舞台に立つガラ・コンサートというイメージ」(パユ/ライナーから)で仕立て上げられている。収録曲はヴェルディの『椿姫』、『リゴレット』、ウェーバーの『魔団の射手』、モーツァルトの『魔笛』、ビゼーの『カルメン』などよく知られているオペラからのもので、元々録音技術がなかった時代に、身近に楽しめるようにとフルートの名手たちが残した編曲をベースにしている。とはいえ、1つのCDとして編むには細やかな工夫が見られ、例えば、『椿姫』などは、エマヌエレ・クラカンプ(1813-1881)とジュリオ・ブリッチャルディ(1818-1881)の作品を組み合わせて、作品全体の感動が味わえるよう聴き所を揃えている。個人的に気に入ったのはチャイコフスキーの『エフゲニー・オネーギン』からの「レンスキーのアリア」。パユの美質が、悲劇を前にしたレンスキーの情感あふれる追想のアリアに遺憾なく発揮されている。これは同僚のベルリン・フィルのコンサート・マスターが最初ヴァイオリンとピアノ向けにパラフレーズし、パユのために再度フルート用にしたものという。そして、オーケストラ・パートは原作が使われている。(相原 穣 Minoru AIHARA)

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NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
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COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
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#10 Contents
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