#  686

The Ullmann+Swell 4/News? No News!
text by ビル・シューメイカー/point of departure

Jazzwerkstatt 068

Gebhard Ullmann(ts,b-cl)
Steve Swell(tb)
Hillard Greene(b)
Barry Altschul(ds)

1. Airtight (Swell)
2. Berlin (Ullmann)
3. Composite #1 (Swell)
4. Gps #1 (Ullmann / Swell / Greene / Altschul)
5. Gps #2 (Ullmann / Swell / Greene / Altschul)
6. Kleine Figuren #2 (Ullmann)
7. More Hello (Swell)
8. New York 5:50 (Ullmann)
9. News? No News! (Ullmann)
10. Planet Hopping On A Thursday Afternoon (Swell)

『News? No News!』は、ベースのヒラード・グリーンとマスター・ドラマー、バリー・アルトシュルを含むゲプハルト・ウルマンとスティーヴ・スゥェルのカルテットの素晴らしさを知るに格好のアルバムである。スタジオ録音にもかかわらず、そのエネルギーはライヴ・ギグに匹敵する。バンドの名前は「ザ・ウルマン+スゥェル・カルテット」となっているが、実際はフロント・ラインとリズム・セクションのヴォイスが完全に補完し合っており、4者が一体となったユニットとしての色彩が強い。ウルマンはバスクラを吹いている時も、あるいはテナーの時も真っ向勝負を挑んでおり、そのことはトロンボーンのスゥェルにも共通している。一方、楽曲提供者としてのふたりは、驀進力と同時に緩徐の才や振りの大きいスイングに対する趣向さえ見せている。リズム陣のグリーンとアルトシュルのふたりは熟達したアンサンブル・プレイヤーぶりで、絶えず推進力を送り続けているのだ。そしてそれは2曲のコレクティヴ・インプロヴィゼーションで断片的なフレーズやテクスチャーを担当している場面でも変わりがないのである。さらに言うならば、彼ら4人は、起承転結を以てひとつのセットを構成する術も知っているのだ。内容は、強力なフリー・バップ、 癖のあるテーマ、それに迫力のあるインプロヴィゼーション。要するに、彼らはワーキング・バンドそのものなのだ。そして、アルトシュルにとっては、彼が70年代に(アンソニー・)ブラクストンのカルテット、(サム・)リヴァースや(ポール・)ブレイのトリオなどで実践したと同じようにこのバンドを上昇させる重要な場でもあるのだ。(ビル・シューメイカー/point of departure)
*この評文はPoint of Departure-Issue 28(http://pointofdeparture.org/Content.html)に掲載されたものを筆者の許諾を得て訳出したものです。

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FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


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