#  779

『Domus/Faure: Piano Quartets No.1 & No.2』
text by 佐伯ふみ


Hyperion CDA30007

Domus Piano Quartet:
(Pf: Susan Tomes, Vn: Krysia Osostowicz, Vla: Robin Ireland, Vc: Timothy Hugh)

Faure: Piano Quartets No.1 Op.15, No.2 Op.45

録音:1985年2月
Recording Engineer: Antony Howell
Recording Producer: Andrew Keener
Executive Producer: Edward Perry

このCDが挙げられているのを見て、おや、と思った人がいるかもしれない。「今年の1枚」なのに何故こんな古い録音が?と。確かに、このアルバムが最初に世に出たのは1985年。ではなぜ紹介するかというと、イギリスの名門レーベル、ハイペリオンが今年、30周年を迎え、この9月に30タイトルを厳選してアニヴァーサリー・エディションとして再発売したからだ(http://tower.jp/article/feature_item/69862)。これはその中の1枚。

30タイトルの演奏家と曲目を眺めただけでも、このレーベルの選択眼の確かさ、こだわりぶりが感じられよう。室内楽という地味な(売れない)分野で、営々と高いクオリティのレコーディングを継続してきたこのレーベルの30年の歩みを、リスナーとして共に喜び敬意を表したい。

このアルバムは発表当時、グラモフォン賞、ドイツ批評家賞など数々の賞を総なめにし、音楽家そしてレーベルの双方にとって、その後の活動の大きな励ましになった記念碑的アルバムであろう。Domus の発展的解消のあとFlorestan Trio を主宰するSusan Tomes は、14歳からトリオを組んで演奏していたという筋金入りの室内楽ピアニスト。近年は文筆家としても定評を得ており、今年出版した3冊目のエッセイ集 Out of Silence はこのほど、インディペンデント紙の推薦する「クリスマスの1冊」に選ばれたという。( 佐伯ふみ )

WEB shoppingJT jungle tomato

FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


Copyright (C) 2004-2015 JAZZTOKYO.
ALL RIGHTS RESERVED.