# 790
『ソングス・フォー・ジャパン』
text by 稲岡邦弥
SMJ SICP 3140~1 \2,000 (税込:5/4発売) |
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Disc:1
1. イマジン(ジョン・レノン)
2. ウォーク・オン(U2)
3. 嵐からの隠れ場所(ボブ・ディラン)
4. アラウンド・ザ・ワールド (ライヴ/レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)
5. ボーン・ディス・ウェイ (スタースミス・リミックス/レディ・ガガ)
6. イレプレイスブル(ビヨンセ)
7. トーキング・トゥ・ザ・ムーン (アコースティック・ピアノ・ヴァージョン/ブルーノ・マーズ)
8. ファイヤーワーク(ケイティ・ペリー)
9. オンリー・ガール (イン・ザ・ワールド/リアーナ)
10. ライク・アイ・ラヴ・ユー(ジャスティン・ティンバーレイク)
11. マイルズ・アウェイ (ライヴ/マドンナ)
12. ラヴ・ザ・ウェイ・ユー・ライ feat.リアーナ(エミネム)
13. ヒューマン・タッチ(ブルース・スプリングスティーン)
14. アウェイク (ライヴ/ジョシュ・グローバン)
15. ベター・ライフ(キース・アーバン)
16. ワン・トライブ(ブラック・アイド・ピース)
17. ソーバー(ピンク)
18. イッツ・オーケー(シーロー・グリーン)
Disc:2
1. ラン・トゥ・ユー(レディ・アンテベラム)
2. ホワット・ドゥ・ユー・ガット?(ボン・ジョヴィ)
3. マイ・ヒーロー(フー・ファイターズ)
4. マン・オン・ザ・ムーン (ライヴ・イン・トーキョー/R.E.M)
5. セイヴ・ミー(ニッキー・ミナージュ)
6. バイ・ユア・サイド(シャーデー)
7. ホールド・オン (オルタネイト・ミックス/マイケル・ブーブレ)
8. プレイ~僕の祈り(ジャスティン・ビーバー)
9. メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ(アデル)
10. イフ・アイ・クッド・ビー・ホウェア・ユー・アー(エンヤ)
11. 僕の瞳に小さな太陽(エルトン・ジョン)
12. ウェイティング・オン・ザ・ワールド・トゥ・チェンジ(ジョン・メイヤー)
13. 手をとりあって(クイーン)
14. ユーズ・サムバディ(キングス・オブ・レオン)
15. フラジャイル (ライヴ・イン・ベルリン/スティング)
16. ベター・イン・タイム(レオナ・ルイス)
17. ワン・イン・ア・ミリオン(NE-YO)
18. ホウェンネヴァー、ホウェアエヴァー(シャキーラ)
19. サンライズ(ノラ・ジョーンズ)
*各楽曲の詳細は:
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/songsforjapan/
全国紙の全面広告でこのチャリティ・アルバムの存在が音楽ファン以外にも広く知れ渡ったのだろう。5月4日にCDが発売されるや2日後にはセールス累計が13万枚を突破、専門誌の洋楽チャート1位はいうまでもなく、総合チャートでも安室奈美江に次いで2位、徳永英明(3位)や東方神起(4位)を後ろに従えたという。長いCD不況が続くなか、「音楽を聴くことがチャリティにつながる」ことがひとびとを駆り立てたに違いない。
ソニー、ワーナー、ユニバーサル、EMIのメジャー4社が手を組み、契約の縛りを超えて趣旨に賛同したポップス/ロック系アーチスト38組の音源を結集、震災から2週間後の3月25日にはiTunes ストアを通じて配信を開始。2日後には、アメリカやフランスを始め世界18カ国でトップ・セールスを記録、
4月末には義援金に相当する収益が500万ドル(約4億円)に達した(アメリカの場合、配信アルバムは9.9ドルで販売されており、経費を差し引いた収益が義援金に充当される)。日本でも日本版配信アルバムや輸入CDを経た上での国内盤CDである。ひとびとの関心の高さは相当なものだ。
2枚組CDは71年録音のジョン・レノンのクラシック、<イマジン>からノラ・ジョーンズの感動的な<サンライズ>まで全38曲、レディ・ガガの<ボーン・ディス・ウェイ>は現在ヒット中のシングルだから、まさに洋楽40年にわたる新旧ビッグ・ネームによる選び抜かれた楽曲集ということになる。
<イマジン>は、「皆で一緒に国境も争いもないひとつの世界を作ろう」という理想的な世界をアピールしており、ノラ・ジョーンズの<サンライズ>は、タイトルが“日出づる国”日本を象徴していることはいうまでもない。クイーンの<手をとりあって>は、亡きフレディ・マーキュリーが「手をとりあってこのまま行こうよ 愛する人よ 静かな宵に灯りをともし」と日本語で切々と訴えかけるバラードで思わず胸を熱くする。その他、どの曲も被災地と日本に対する熱い思いを込めて選曲されており、聴き終わると誰もが「音楽の持つ力」に勇気づけられるに違いない。
ジャズやクラシック・ファンも一度は名前を聞いたことのあるアーチストを何人も発見するに違いない。これを機会にポップス/ロック、いや、音楽を通して投げかけられるメッセージに耳を傾けてみるのも良いだろう。迷わず1枚。「音楽を聞いてチャリティ」の輪に加わろう。(稲岡邦弥)
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
:
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
:
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
:
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
:
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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