# 091
須藤伸義/Nobu Stowe pianist/composer/journalist
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Interview “Nobu Stowe:Beyond Free” by Glenn Astarita |
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♪ 「トータル・インプロヴィゼーション」とは? |
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須藤:3つのキーワードを挙げたいと思います。まず、「ストーリー・テリング」であること。音楽を通じて物語を語るのが大好きです。僕の音楽がさまざまな要素やムード等々を内包している理由です。次に、「即時性」です。即時性は、作曲された音楽であれ、完全な即興演奏であれ、クリシェを避け、新鮮さを獲得するための音楽上の自由のためのキーといえます。3番目は「ロマンチシズム」で、私の音楽の特徴であるメロディアスであることとトナリティに基づいた和声進行に直結するものです。著名なアヴァン系プロデューサーのレオ・フェイジンから最近来たメールには「ノブ、君は癒し難いロマンチストだ!」と書かれていました。数年前、レオは僕のコ・リーダー作『ニュー・ヨーク・モーメンツ』(Konnex、2007)を高く評価してくれたのですが、今回のメールでは、僕の音楽は彼のレーベル、レオ・レコード向きではありません、とはっきり書いてきました。なぜなら、あまりにも「ロマンチック」であるからだと。だけど僕はこのコメントを誇らしく思いました。 |
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須藤:アヴァンギャルド/フリー・ジャズ系のジャズ、とくにフリー・インプロヴィゼーションで気になることのひとつは多くの演奏にみられる単調さです。つまり、フリー・インプロヴィゼーションは如何なるフォームあるいはクリシェからも自由であろうとするなら、なぜ当然のように決まって調性やリズムを無視し、耳に快くないのか、ということです。 |
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12才の頃、僕はビートルズに夢中になりました。ビートルズ熱は3年程続き、毎日ビートルズ(メンバーのソロ・アルバムも含めて)と同時代のボブ・ディランやローリング・ストーンズを聴いていました。その後、イエスやキング・クリムゾンなどの先駆的なイギリスのバンドだけでなく、ヨーロッパや南米のバンドも含めてプログレッシヴ・ロックにはまったのです。ジャズ・ロックも聴きましたが、好きだったのはシンフォニック・ロックで、とくにPFM、バンコ、ニュー・トゥロールズ、アリア、ル・オルメなど、イタリアのバンドが好みでした。イタリアの音楽に特徴的な口ずさめる美しいメロディに惹かれたのです。この頃、(マイルス・デイヴィスの)『カインド・オブ・ブルー』(Columbia、1959)や(ジョン・コルトレーンの)『至上の愛』(Impulse!/1964)などジャズの古典的な名盤も耳にはしていましたが僕には退屈な音楽でした!でも、コルトレーンの『バラード』(Impulse!/1962)は楽しめました。おそらく、彼の情感溢れるメロディックな演奏のせいだと思います。 |
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追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
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#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
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JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
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#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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