#  128

KAZE 日本ツアー直前インタヴュー

KAZE: Christian Pruvost クリスチャン・プリュヴォ(tp)
Natsuki Tamura 田村夏樹(tp)
Satoko Fujii 藤井郷子(p)
Peter Orins ピーター・オリンズ(ds)

田村夏樹+藤井郷子@ベルリン via e-mails
2014.7

♪ 近付く「KAZE日本ツアー2014」

JT:KAZEの来日は2度目になりますが、今回の来日はフランス領事館のタイアップが得られたようで。
KAZE:バンドで日本公演を決定してから、フランスのミュージシャンがFrench Institute(日本でいうところの日仏学院?フランスの文化庁だと思います)に助成申請しました。それが決定になり協力してもらえる事になりました。

JT:渋谷「メアリー・ジェーン」のようなカフェ・バーから「横濱ジャズプロムナード」まで公演場所がさまざまです。
KAZE:日本の現状では出演料を保証していただくのはどこの会場でも、とても難しい状況にあります。助成を受けている所はほとんどないし、集客にも苦戦を強いられています。とにかく理解していただける、より多くの会場でという私たちの希望で、今回の日程を組みました。メアリー・ジェーンは他の公演とは違って、KAZEでの演奏ではなく、フランス人ふたりのそれぞれのソロとデュオを予定しています。ふたりともソロCDをリリースしている実力派です。KAZE以外では10月10日にバディーで藤井の東京オーケストラとの共演での公開録音も予定しています。

JT:前回のツアーと比べてどうですか?
KAZE:前回の日本ツアーのあと、2枚目のCDのリリース、イスラエルツアー、北米ツアー、ヨーロッパでの演奏などを重ね、バンド・サウンドははるかにタイトになってきています。

JT:前回のツアーでは何か注目すべきこと、あるいはユニークな経験がありましたか?
KAZE:彼らは前回のツアー初日の宿泊先、赤坂から浅草の浅草寺まで9月はじめの暑さの中、往復徒歩で観光しました。とにかく日本を見たい、経験してみたかったようです。





♪ 新作CD『トルネード』は傑作!

JT:2枚目のアルバム『トルネード』がリリースされましたが、1作目の『Rafale』 と変わったところは?
KAZE:ぜひ、聴いてみて下さい。『トルネード』は傑作です。バンドの熱さは増しているし、楽曲の面白さもさらにアップして楽しめると思います。作曲している部分とインプロの部分との絶妙な絡まり方は1作目も同様でしたが、ワイルドのままで完成度は増していると自負しています。

JT:録音はすべて一発録りですか?
KAZE:『Rafale』はポーランドのクラクフでのコンサートの一発録り。『トルネード』は一日目にコンサートをしてそれを録音、2日目に同じ会場でお客さんなしで録音しました。どの楽器にもマイクを立てていますが、スタジオでは ないので、アイソレーションは完璧ではありません。が、若干のミックスはしました。

JT:田村夏樹さん、藤井郷子さんはすでにいろいろなバンドを立ち上げ、維持されていますが、さらにKAZEを組織した理由は?
KAZE:この二人のフランス人との出会いで、このバンドが出来上がりました。二人とも他では考えられない個性です。個性的なトランペットふたりという組み合わせも他では起こりえません。KAZEはそもそもドラムのピーターのアイデアで結成しましたが、予想を超えて面白く、4年間続けています。

JT:日仏ふたりずつのバンド編成ですが、狙いは?
KAZE:意識してフランス人ふたり日本人ふたりという訳ではありません。結果、そうなったという感じでしょうか。

JT:ふたりのフランス人ミュージシャンについて簡単に説明して下さい
KAZE:ふたりともパリではなく、北フランス、ベルギーとの国境の街リールに住んでいます。リールには彼らが主宰しているミュージシャン・コレクティブがあり、町から大きな助成を受けてクリエイティブな活動を繰り広げています。 ドラマーのピーター・オリンズは若いですが、その団体の中心的な存在。彼のお兄さんはステファン・オリンズというピアニストで、日本でもファンがいると聞いています。知的な音楽一家に育ったピーターはドラマーですが、作曲でも才能を開花させ、多くのバンドをやっています。若干37歳です。 トランペットのクリスチャン・プリュヴォは並外れて独創的な演奏をします。多くのトランペット・プレーヤーが通常の奏法とは異なるテクニックで演奏しますが、彼のサックスのマウスピースを使ったり、ゴム風船を使う演奏法は見た目だけでなく、音楽表現の語彙を豊かにします。

JT:岡崎市のドクター・ジャズ内田修先生のアーカイヴをCD化した中に 『Catlaog 01/60’s』があります。その中で新世紀音楽研究所が金井秀人さんの<ZERO>というオリジナルを演奏しているのですが、トランペットの日野皓正がアルトサックスの鈴木孝二とお互いのマウスピースを交換して吹いているテイクを思い出しました。今から半世紀前、1963年5月の銀巴里での演奏ですが、リーダーで作曲者の金井さんの指示だったようです。
ところで、KAZEの聴きどころはどこでしょうか?

KAZE:全員、個性と主張を持った表現者ですが、お互いリスペクトし合っていて、それが音楽を豊穣なものにしているところだと思います。多くのエクステンデッド・テクニック(従来の楽器奏法を超えたテクニック)を駆使したインプロヴィゼーションはもとより、美しいメロディーやハーモニー、ビートも出てくる本当の意味での自由な表現が聴きどころです。

JT:過去2年間で海外の公演も多かったようですが、簡単に説明願えますか?
KAZE:フランス、アメリカ、カナダ、ポーランド、ドイツ、イスラエルで公演しました。

JT:今年はどのような海外公演が予定されていますか?
KAZE:KAZEでは8月にはオーストリアのザールフェルデンのフェスティバルで演奏します。また、今回の日本ツアーの直前に韓国の公共テレビ、EBSの番組に出演します。11月にはドイツ、チェコ、ポーランド、12月にはパリで公演とナショナルラジオの出演、それに新録も予定しています。




♪ ベルリンで2ドラムのオーケストラを結成した...

JT:おふたりは、東京とベルリンの2ヶ所を拠点にされていますが、ベルリンでの生活は?
KAZE:ベルリンと東京、行ったり来たりで足掛け3年経ちました。さらにベルリンの魅力にはまり始めています。東京やニューヨーク、パリ、ロンドンのように出来上がってしまっている大都市とは違い、ベルリンには貧乏なアーティストもまだまだ居られる余地がある感じです。ヨーロッパのどこにでも簡単に行けるのも魅力です。東京に居たら取れない単発の仕事もとれるようになりました。

JT:ベルリンの音楽状況(ジャズ〜インプロ)は?
KAZE:フリーインプロ・シーンが活発で聴衆も多くいます。ミュージシャンも世界中から移り住み始めています。ちょっと残念なのは、ジャズとインプロと現代音楽がお互い交流を持たないところです。

JT:ベルリンを拠点にしたバンドを編成する予定はありますか?
KAZE:今年1月についにベルリン・オーケストラを結成しました。2ドラムで12人編成です。録音もしました。年内にリリースできればと考えています。

*スケジュールの詳細は;
 https://www.facebook.com/kazemusic?fref=ts

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NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

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#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
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#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
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・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


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「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

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#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
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#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

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#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

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