#  303

フォープレイ・シンフォニック・スペシャル・ナイト
2010年12月10日 @すみだトリフォニーホール
reported by 及川公生

フォープレイ:
ボブ・ジェイムス (p/key)
チャック・ローブ (g)
ネイザン・イースト (b)
ハーヴィー・メイソン (ds)

竹本泰蔵・指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団

第1部:フォープレイ単独ライヴ
第2部:フォープレイwith オーケストラ

フュージョンとオーケストラの共演は、音響的に興味津々のコンサートである。コンサートホールに録音技巧を凝らしたフュージョン・サウンドを、どのように仕掛けるかいろいろ思いをはせて会場に向かった。
さぞ、凝ったPAシステムが組まれているだろうと、期待を持って駆けつけたが、これは肩すかし。ホール自慢のPAクラスターの姿もなく、これがフュージョンと立ち向かうシステム?と。フォープレイ側の意図はきわめて控え目で、PAシステムが威張っている風景はない。それでもフュージョン・サウンドを期待させるそれらしき仕掛けが見受けられ、それを誤解した我が身がある。
ドラムスのパーティション(クリアソニック)が強く印象づけられ、さあ!あの音が迫ってくるぞ!と。さらに、マイキングにも兆しがあった。これは収録(映像収録のカメラ設置)のマイキングであり、追々分かってきたことだが意識を強めた所以である。
ホールを充満させたサウンドは、何処を取ってもアコースティックなのだ。ピアノだけはエレクトリックな感じが強いが、基本はナマである。ドラムスはCDで聞かれるフュージョンばりの仕掛けはまったく聞かれず、ナマそのもの。録音技巧の切れ端くらい聞けるかと期待したが、なかった。
ホールのアコースティックを勘案しての音響テクニックで切り抜け、音源を細工してのCD同様の音は、何処にも存在しない。
オーケストラとの共演で、このナマっぽさは光ってくる。弦楽器のナマに乗るフォープレイは、まさに融合。何の違和感も感じない。ステージ上の音像定位にしても問題は無い。エレキベースとオーケストラのコントラバスと、違和感はまったく感じられない。ドラムスとオーケストラの打楽器も同様に、お互い空間に広がるのは打楽器群の音そのものだ。
フォープレイが浮き立つわけでもなく、オーケストラに紛れ込んで鳴っている様相に失望はない。アコースティック・フォープレイの心地よさは、音響的な環境の賜だ。



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追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
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#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
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#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
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#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
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