# 338 |
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン |
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ふくしま原発事故(東日本大震災)の影響で海外演奏家が来日を取りやめたり見合わせたりする中で、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2011」が例年より規模を縮小しながらも5月3日に幕を開けた。確かに今年は会場の東京国際フォーラムの大ホールでのコンサートは姿を消したが 、『届け!音楽の力、広がれ!音楽の輪』を合い言葉に、中小ホールでの熱のこもった演奏がファンの喝采を浴びた。NHKのFM放送が生中継した2日目のウラル・フィルハーモニー管弦楽団や、ブラームスのダブル・コンチェルトでフィーチュアされた庄司紗矢香(vln)とタチアナ・ヴァシリエヴァ(vc)の熱気を充満させたライヴ演奏を聴く限り、まさに熱狂の日(ラ・フォル・ジュルネ)の名に恥じない熱演が聴衆にアピールしたと聴いた。 |
北村朋幹と、直後の児玉桃。この2人のピアノ演奏では興味深い体験をした。北村の音はくすんでいて、むしろ底へと沈み込んでいくみたいだ。ところが、北村の演奏が終わった45分後に始まった児玉桃のコンサートでは、児玉のピアノが強烈な輝かしさで炸裂する。ピアニストの要望で楽器を換えたのだろうと思って担当者に念のため確かめたら、何と同じスタインウェイだという。同じ楽器なのに叩きだされる音がこれほど違うとは!
私には初めての経験だった。プログラムに両者の選択が重なり合う楽曲が並んだため、対照の妙がいっそう鮮明になったといえるような気がする。両ピアニストのプログラムの中心はシェーンベルク、ウェーベルン、ベルクら新ウィーン楽派の作品で、北村がベルクの「ピアノ・ソナタ」(op.1)とシェーンベルクの「6つのピアノ小品」(op. 19)、児玉がシェーンベルクの「3つのピアノ曲(op. 11)とウェーベルンの「ピアノのための変奏曲」(op. 27)。またブラームスでも、北村は「6つの小品」(op. 118)、児玉は「4つのピアノ小品」(op.119)と「パガニーニの主題による変奏曲イ短調の(第2集op.35)と示し合わせたように重なった。 |
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
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#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
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JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
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#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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