# 360 |
東京都交響楽団第720回定期演奏会Aシリーズ |
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指揮:マーティン・ブラビンス(Martin Brabbins) |
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そのどちらもがロシア民族の昂揚する気分に満ちたプロコフィエフのあいだに、チャイコフスキーのピアノ・コンチェルト第2番を配したプログラム。あまりに有名な第1番の影になって、演奏されることが極端に少ない曲であるが、技巧的な難易度も楽想のロマンティックさも、第1番を凌ぐともいえる。奏者はチャイコフスキー・コンクールの覇者、第1番はもはや飽きるほど弾いてきたであろう上原彩子である。 |
やはり「聴かせたい音」を小銃のように穿ちつつ、それらが点描を描いてねっとりと尾を曳いてゆくさまは、忘れがたき存在感を残す。第2楽章のトリオにおいては、まず先行する矢部達哉のヴァイオリンが見事である。胸を焦がすかのような掠(かす)れをも含みこむ、伸縮の効いた音の跳躍。古川展生のチェロと矢部のヴァイオリンは、あたかも一本の糸上から生まれるかのごとき連続性を感じさせる、なめらかな連結。音の生成の神秘をつぶさに見せてくれた。ここでもピアノは低音部にポイントを効かせ、サウンドの伏線として機能している。フィナーレにおいても、上原はテクニックの小回りの良さを前面に出すのではなく、キメとなる音をオーケストラと確実に張尻を合わせることによって、聴覚への訴えを鋭敏にしてくる。上原のピアノは、確かに音が沈むときがある。しかし、それを自らのピアニズムの特徴として確かに認識しているからこそ、絞りの効いたテクニックでより効果を上げているのではないか。 |
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
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#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
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JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
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#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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