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作曲家の個展2011「三輪眞弘」 |
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三輪眞弘: |
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3・11が芸術にも否応なく突き付けたもの-----利便さの見直し、切実さの再考。作曲家たちも自らの音楽をよりタイトに追及するようになったようだ。三輪眞弘はその「中部電力芸術宣言」(2009年8月25日最終稿;2011年3月13日公開)のなかで、芸術としての音楽は人力、つまりアコースティックに固執してきたが、それは芸術から同時代性を奪い電気文明以前に束縛してしまった、としたうえで「音楽という単語が多くの現代人にとって意味するものは『ポップス』であって『現代音楽』ではない」という現実を指摘する。電気文明は当然に我々を取り囲む生活環境とし、そのなかで新たな創造の在り方を模索しよう、というスタンスである。この日の『個展』で演奏されたのは、この宣言が公開される以前の作品も含まれているので、もちろん三輪眞弘の音楽すべてを代弁するものではないのだが。確かに、現代音楽ファンよりはポップスファンの人口のほうが多いが、それはただの数の論理の現状でもあろう。到底受け止められない3・11のような悲劇に直面したとき、平時に慣れ親しんでいた電子音ポップスなどもう聴きたくないという人も出てくるだろうし、いきなり時代遅れで「小難しい」現代音楽に開眼する人も出てこないとは言えない。危機に際しては、音楽に救済要素を求める人が増えるのは自然の摂理で、「アコースティック」や「新しさ」の定義の問題はさておいて、音楽は何かしらの自分の琴線に触れるものであればその形態は問わない、というのが人々の実感である(だから「嗜好品」に堕するのだ、と言われれば返す言葉もないが)。大衆音楽としてのポップスを目指すなら、観点はそれが「現代音楽」の小難しさ云々ではなく、まずとっつきにくい「現代思想」的な語り口を脱却しなければいけないのでは、などともおもってしまう(長大なプログラム・ノートを読んでそういう葛藤は拭いきれない)。プレトークは敢えて拝聴しなかった。 |
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追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
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#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
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JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
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#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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