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「坂田 明 vs 大由鬼山+雅代Koketsu」〜「ブロッツ・フェス 2011」
坂田 明 vs 大由鬼山+雅代Koketsu 2011年10月13日 @Bitches Brew 横浜・白楽
ブロッツ・フェス 2011 2011年10月16日 @PitInn 新宿
Reported by 稲岡邦弥
Photos by 相本 出

坂田 明(as, cl)
大由鬼山(尺八、perc)
雅代Koketsu(as)
鈴木公二(ss,as,ts)
*
ペーター・ブロッツマン(as,ss)
フレッド・ロンバーグ・ホルム(g, cel)
ポール・ニルセン・ラヴ(ds)
+
坂田 明(as,sl)
佐藤允彦(p)

3日を置いて坂田 明を続けて聴くことになった。その1ヶ月ほど前にも「せんがわ」で聴いているから、ひとりのミュージシャンを立て続けに聴いたことになる。結論からいえば坂田は今、長いキャリアのなかでも絶頂期にあるのではないかと思う。パワーとスピードに限っていえば、あの70年代、山下洋輔p、森山威男dsとともに疾風怒濤の展開を繰り返していたフィジカルな絶頂期にはかなうべくもないだろうが、現在は、フリー・インプロヴァイザーとしての円熟の絶頂期にあるに違いない。
坂田が白楽の「ビッチェズ・ブリュー」に出演するのは2回目。デビューは3月で、ポルトガルから帰国した匕首(あいくち)を持ったリードの精鋭、古谷暢康と80分にわたって相対したが、幸いにも当夜のドキュメントは完全収録され、年末にTransheart/Solid Recordsからリリースされることになった。
13日は尺八の大由鬼山とのヴェテラン対決をたっぷり聴きたかったのだが、途中から最近活躍目覚ましい女流のアルト奏者雅代Kouketsuと最後には50代で本格デビューしたという“高次倍音”の鈴木公二も参加、大ブロウ大会と化してしまった。こうなっては生の尺八は苦しく、Kouketsuもリズム・パターンを繰り出そうと試みたものの、坂田を引き込むことはできずに終わってしまった。
坂田とKouketsuが呼応し合う場面もあったものの、結果的には坂田のペースで終始したというべきだろう。
その不完全燃焼を完全に吹き飛ばしてくれたのが3日後のピットインの“ブロッツ・フェス”。日本でもっとも人気のあるフリー・インプロヴァイザーのひとり、ペーター・ブロッツマンの古希(70才)を祝ってのスペシャル・イベント。
3人の欧州組と珍しい佐藤允彦と坂田 明のゲスト参加というキャスティングで満員の聴衆。まったくの即興演奏でありながらアンサンブル、ソロともに音楽的に非常に充実しており、あたかも予め設定されたコンテがあるかのように進行するドラマの成り立ちは何よりも各々の傑出した音楽性に拠るものであった。 聴衆の興味のひとつはブロッツと坂田のアルトの対決にあったと思われるが、
ブロッツのアルト・ソロの後を受けた坂田にスイッチが入ると、コルトレーンの“シーツ・オブ・サウンド”を彷彿させる高速フレーズの疾駆が凄まじく、ブロッツが思わずアルトからソプラノに手を伸ばすほど。今年だけでこの“シーツ・オブ・サウンド”に4度接しているが、今の坂田は世界最高のアルト奏者といっても過言ではないだろう(一方の極北にリー・コニッツが君臨しているが)。3日目のブロッツは披露のためかやや精細を欠いていたのが唯一心残りだった。









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FIVE by FIVE 注目の新譜


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追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
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#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


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