Concert Report #575 |
ECM Music Festival |
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9月5日 | キム・カシュカシャン・ヴィオラ・リサイタル G.Kurtag:Sings, Games and Messages from Strings J.S.Back:Cello Suite No.1 & No.2 |
9月6日 | ノーマ・ウィンストン・トリオ |
9月7日 | アンドラーシュ・シフ|ハインツ・ホリガー| チョン・ミョンフン指揮ソウル・フィルハーモニック・オーケストラ R.Wagner:Tristan und Isolde-Prelude Isang Yun:Oboe Concerto J.Brahms:Albumblatt J.Brahms:Piano Concerto No.1 in d minor |
9月5日、6日、7日の3夜、韓国ソウルで行われたECMミュージック・フェスティバルのコンサートを聴きに行ってきました!
キム・カシュカシャンのビオラ独奏
ノーマ・ウィンストン(vo)+GlaucoVenier(p)+Klaus Gesing(cl)のトリオ
そしてハインツ・ホリガー(oboe)アンドラーシュ・シフ(pf)+指揮チョン・ミョンフン率いるソウル市響
コンサート会場から少し離れた仁寺洞地区で開催されているAra Art CenterでのECMに関するたくさんの展示と合わせてECMの世界を満喫して参りました!
もちろん、どのコンサートも展示も大変素晴らしかったのですが、結局、最終的に最高に記憶に残ったのは7日アンドラーシュ・シフとソウル市響のブラームスのピアノ・コンチェルト第1番!の激しい激しい演奏の後、大拍手、そして、アンコールを受けて渋っているシフに対して、指揮者チョン・ミョンフンに肩を持たれてピアノ椅子に座らされて弾き始めたアンコール曲、ブラームスの3つの間奏曲第1番。
となりに座る人右も左も会場何人もハンカチを出したり、涙を拭う姿が見えました。もちろん私も。
私が調律師だからそういう聴き方をしてしまうと思うのですが、コンチェルトの際にピアノの状態は荒れていて、もし私が今日の調律師だったら後で泣いて独り反省会だなぁ...と思えるほど音律はところどころ破綻し、荒々しく、汚い音が激しく出すぎていて、正直...コンチェルトで終わっていたら印象が悪かったと思うのですが、その後はミラクルで、もうまさしく
「調律師なんていらない...」
と思えるほど、アンコールの際の音色は全く違い、キャパ2500人のホール隅々に届く、芯があるけど柔らかさもある心に届くすばらしい音色に感じました!
ある意味で、日々の細々とした調律への努力?想い?色んなことが“一瞬にして覆される体験”でしたが、それこそが音楽家への憧れ。自分の原動力。
よい体験ができました!
また、もう一つ全体的に印象に残ったのは毎夜のお客さんの熱狂ぶり。
それも、わざとらしいものではなく、自然で、自由に盛り上がっている拍手、声援。2階席でも3階席でもアンコールの最後の最後までそれぞれの盛り上がりがあって、その雰囲気はロビーにまで続き、それに応えてくれるそれぞれの出演者の表情も幸せそうで本当に印象的でした。
三ヶ田美智子(みかた・みちこ)
名古屋在住。調律師
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
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#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
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JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
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#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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