Concert Report #582

池辺晋一郎がひらく、演劇とオーケストラが出会うとき、“良い子にご褒美”
2013年9月10日 サントリーホール
Reported and photographed by Kiyotane Hayashi 林 喜代種

作=トム・ストッパード
音楽=アンドレ・プレヴィン
指揮=飯森範親
台本翻訳・演出=村田元史
アレクサンドル=鳥畑洋人、イワーノフ=牛山茂、サーシャ=堀川恭司(劇団ひまわり)、医者=北川勝博、教師=服部幸子、大佐=三輪学
管弦楽=東京交響楽団
舞台監督=黒木辰男 美術=岡田志乃 照明=森脇清治 音響=藤平美保子 
衣裳=萩野 緑 制作=演劇企画JOKO 劇団昴          

プロデューサーの池辺晋一郎が、この作品の上演は30年来の夢で、80年代から思い続けてきた企画だという。日本初演。上演時間はおよそ1時間あまり。
トム・ストッパード作、アンドレ・プレヴィン音楽による、オペラでもミュージカルでもない演劇とオーケストラのコラボレーション。世界初演は1977年7月A・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団、トレバ―・ナン演出でロンドンのフェスティバルホールで上演。70年代冷戦下のソ連での自由と弾圧を風刺的に描いた作品である。
ステージ上の真ん中にフル・オーケストラ、その後方に一段高いステージがあり左右にそれぞれ椅子と机が置かれている。オーケストラ前の指揮台と客席の間にベッドが2つ。左側にはトライアングル奏者の精神異常者イワーノフ、右側には政治犯とされる男アレクサンドル。そこが監房という設定になっている。アレクサンドルは、政治犯として逮捕され、国外追放となった友人の話を手紙に書いたため、彼自身も逮捕され、精神病院に収監されることになった。同室には頭の中に一団のオーケストラがあるという妄想を持ち、トライアングルを鳴らす精神病患者イワーノフが居る。この二人に、アレクサンドルの釈放を願う息子サーシャが加わり、物語は展開する。
「自由を手に入れるためには真実を曲げるのもいたしかたないことか」というのがこの作品の問いかけるテーマである。 終演後企画の池辺晋一郎+演出の村田元史+指揮の飯森範親の三者によるアフタートークが行われた。

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追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


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