Live Report #626

特別寄稿
アルタードステイツ plays ECM
2013年12月8日 新宿ピットイン
Reported by 内橋和久 (Kazuhisa Uchihashi/ゲスト・コントリビュータ)
Photos by TAKE (colour) & 多胡一裕(b&w)

アルタードステイツ:
内橋和久 (g)
ナスノミツル (b)
芳垣安洋 (ds)

ゲスト:
広瀬淳二 (sax)
岡本 洋 (piano,key)
橋本 歩 (cello)         

もう10年近く続けている「アルタードステイツ 秋の3デイズ」。毎回最終日は企画ものをやってきた。主に再現プロジェクトとして、敬愛するロックバンドの完全コピー・シリーズや歌に焦点をあてた即興歌謡ショーなど。そして今年は初めてジャズにチャレンジ。ピットインなのだから当たり前のようなものだが、じつは逆に避けてきたという気持ちもある。
ECM、それは僕にとって10代最後の衝撃だった。ロック、プログレ少年だった僕に強烈にジャズを印象づけたもの。
そう、僕はECMからジャズの世界に入っていった。予備校時代に毎晩1枚のレコードを就寝前に聞くことを唯一の楽しみにしていた僕の前に現れた1枚のレコード。それはキースの『マイソング』だった。なんて美しい音楽なのだと、僕は取り憑かれたように毎晩耳を傾けた。そこから発せられる音は隅々まで僕の脳裏を埋め尽くし、知らぬまにもう暗記できていたほどだった。無事大学に入学した4月に彼らはやってきた。勿論僕は最前列のチケットを持って、会場に向かった。その時に感じたことは、その音楽の美しさと彼らの自由さだった。キースは半分はピアノも弾かず大きな机に並べられたパーカッション類を叩きまくっていた。フリーというやつである。そしてこれが僕のスタンダードになった。
以後ECMのレコードを買いあさり片っ端から聞いて回った。僕は大阪出身なのだけど、当時大阪の梅田の東通り商店街というのがあって(今は歓楽街)そこにレコード屋さんが3軒あった。そのひとつが、もう店の名前を忘れてしまったのだがなんとECM、ENJAの専門店だった。そこそこ広い店内に、ほとんどコンプリートしてるのではないかと思うほどの在庫数。壁にはECMの新譜が紹介されており、店番に仲の良さそうな、おばあちゃん2人がちょこんと座っている。このおばあちゃんが素晴らしい。最初はただの店番を頼まれたおばあちゃんと思いきや、僕の質問に何でも答えてくれる。「すいません、ガルバレクの新譜ってもう入ってますか」「ガルバレク、入ってるよ」と言うと、すくっと立ち上がり棚のなかから目当てのレコードを迷いもなく取り出し,僕に「はい」と手渡してくれる。「ECMおばあちゃん」降臨。
以後7、8年弱僕はここに通い詰めた。閉店セールのときは、ありったけのお金を持って、持っていないレコードを買って帰った。閉店後も,近くのタバコ屋でレコードを置いているらしいと聞きつけ、行ってみたりした。前振りがとても長くなってしまったが、そんなわけで僕は今年は自分に大きな影響を与えたECMへの感謝をこめたオマージュを試みることにした。
メンバーの中で、ベースのナスノはECMはパット・メセニ−くらいしか知らなかったようだが、芳垣は同世代という事もあり、ジャズドラマーでもあったのでそこそこECMの洗礼は受けていた。僕ら3人だけでは出来る曲が限られているため、今回もゲストを3人お願いした。まずピアノに岡本洋。彼はこの最終日に必ずと言っていいほど来てもらっていて、僕の高校の軽音学部の1年先輩でもあり、個人的には学生時代に最も身近で影響を受けた人。ある意味、僕は彼を追いかけていた訳で、その影響で僕はプログレにはまり、ジャズに入っていったと言っても過言ではない。彼にはキースはあの弾きながら発せられる喘ぎのような声が耐えられなかったらしいが、かなりのECM作品は熟知している人である。そして、ECMでどうしても避けられないミュージシャンと言えば、ヤン・ガルバレク。そこで広瀬淳二さんが真っ先に思い浮かんだ。数年前、北欧に一緒にツアーに行った時に、広瀬さんが,ガルバレク好きなのよねと言う話になり、そのことが僕の中に強い記憶となっていた。最初、ええっと思ったが、あの美しい音色を考えてみると、あの音が出せるのは広瀬さんしかいないだろうなと直ぐ納得した。じつは真っ先に彼にオファーしていて、OKだったらこの企画を進めようと思っていた。現在の彼には、曲を演奏するって言うことがないので、断られるのも覚悟の上だったが、快く引き受けて下さったこと、本当に感謝しています。そしてもうひとり、チェロの橋本歩さん。ECMには多くの個性的なギタリストが在籍していた。そのひとりであり、僕が当時最も影響を受けたビル・フリゼルのカルテットを演奏するためにお願いした。彼女もフリゼル・ファンであったこともあとで聞き嬉しかった。
私がギタリストなので、必然的にギターの楽曲が多くなったが、それぞれ皆個性派ぞろいで、独自の音楽観を提示している人達。今回ECMの世界を伝える時に一番大変だったことは、この音楽はいわゆるジャズとは違い、メロディー・センスがとても要求されるということ。彼らの音楽は、もはやアドリブという言葉では言い表せず、ソロ・パートにおいても楽曲のメロディーと同じくらいの美しさで圧倒する。彼らの音楽からはコード進行は一切聞こえてこない。聞こえてくるのは、メロディーと音色だけだ。彼らのレコードに針をおろすと、いつも圧倒的な世界に抱擁される、無条件降伏してしまう自分がそこにいた。当時同時期に始まったフュージョン・ブームに僕も少し乗っかってしまったが、2年もたたないうちに僕の中から綺麗に消え去ったのは、ECMのおかげだったように思う。
話が少し逸れてしまったが、このメロディー・センスをコピーではなく再現するのが、一番のハードルだった。久しぶりに練習をいっぱいした。コード進行を感じさせないためには、身体に流れを叩き込まないといけないから。
今回、アーチストごとにまとめて演奏をすることにした。一曲ずつ変わると、自分でも世界観が混乱してしまうからだ。そしてECMには欠かせないのがリバーブ。音楽によっては深いリバーブ・サウンドは逆効果のものもあるが、今回は友人のエンジニアのZAKにレキシコンのリバーブを借りて、うちのガルバレク専用で使用した。
昔、ヤン・ガルバレクが来日した時、彼は自分専用にレキシコンのPCM70を前におき、操作していたのを覚えている。それでは、今回演奏した楽曲と感想を少々。


















1st セット:

1.Distant Hills - ラルフ・タウナー
『Solstice』から

アルタードステイツ+広瀬淳二(ts) 岡本洋(key) 橋本歩(cello)

最初は全員でECMらしい曲を。12弦ギターの織りなす、幻想的な世界。8分の11拍子という不思議な曲だけど、聞いてるとそう聞こえない。これがECMマジック。耳に心地良いのに、じつはけっこう複雑。広瀬さんのリクエストでした。僕的には12弦ギターを押さえるだけで、手が攣りそうになりました。タウナーはピアニストでもあるからでしょうか、アルペジオの配列はギターというよりもピアノのように広がっていきます。もはやコードネームで表されるような音楽ではありません。


2.Morning Lake - テリエ・リピタル
2枚出ているミロスラフ・ビトウスとジャック・ディジョネットとのトリオ作品の『To be Continued』から

アルタードステイツ+岡本洋(piano)

テリエ・リピタルはECMを象徴するアーチストと言っていいだろう。彼はジャズ・ミュージシャンではない。ロック・フィールドから来る彼のアイデアをジャズに融合させ、単なるフュージョン・ミュージックにとどまらない独自の世界を作り上げた。こういう組み合わせをプロデュースするアイヒャー氏は天才的だと思う。彼ほどにプロデュース能力が高く、実験的なトライアルをする人は当時いなかったのでは。シンプルな美しいメロディーを小節にとらわれずおおらかに演奏している楽曲。ビトウスがピアノを弾き3人で録ったあとにベースを重ねている。ディジョネットの早いレガートが定番のECMらしい楽曲といっていいでしょう。ナスノがエレキベースで好演。僕はもちろんトレモロアーム付きのギターで。


3.Stenskoven-テリエ・リピタル
アルバム『Waves』から

これはECMというかフレンチな感じのコケティッシュな作品。

アルタードステイツ+岡本洋(piano,key)

4.Blue Sky- ヤン・ガルバレク
『Photo With…』。

ガルバレク・グループの初期の作品から。ギターはビル・コナーズ。90年代に入るとギターはビル・フリゼル、デヴィッド・トーンに移行する。

アルタードステイツ+岡本洋(piano) 広瀬淳二(ts)

少しフュージョンっぽい作品。ガルバレクという人は、最近でもかなり危ない作品を作っている。危ないというのはフュージョンになってしまう可能性が高いという意味で。メンバー選びがかなりの重要な要素を占めているということがよくわかる。先述したように,コード進行が見えてくるともうフュージョンになってしまうからで、そうならないようにするには、圧倒的なメロディー・センスと音色が必要。僕的にはフリゼルがいたころが一番良かったように思う。 ギターとサックスのユニゾンがとっても気持ちのよい作品。


5.Bright Size Life-パット・メセニー
ECMの初期のアルバムよりタイトル曲。盟友ジャコ・パストリアスとボブ・モーゼスで録音されたトリオ作品。


アルタードステイツ

まさかのパット・メセニー。今となっては超メジャーになってしまった彼だが、当時は結構とんがっていろんなことにチャレンジしていたと思う。アルタードステイツでメセニーはないでしょ。かなり悩んだ末に、やっぱりやろうと思いました。 当時から、メロディーメーカーとしての彼にはとっても注目してた。あんなに手癖が多い人なのに、とってもいいメロディーを弾くんですよね。上質のポピュラー・ミュージックという感じ。この曲は3人ということもあり、当日本番前に初めて合わせました。


6.James-パット・メセニー
『Offramp』から。

アルタードステイツ+岡本洋(piano)

僕から見て、彼には2つの転機があって、その1つ目はこのアルバムだと思います。それまではフュージョンっぽさが隠せない感じだったのが、このアルバムから変わってきた。今や定番のギターシンセに出会ったことが大きかったのでしょうか。選んだ曲はその曲ではなく、隠れた名曲<James>。とてもカワイイ曲で、演奏するのが恥ずかしい感じもあったのですが、コード進行さえもとても美しく、良くできた完成度の高い曲だと思います。ひたすらにいいメロディーを弾くことに専念しました。普通のジャズ形式の曲なので、ソロのあとに拍手まで頂きました。20年ぶりのことです。


7.80/81-パット・メセニー

『80/81』からタイトル曲。

アルタードステイツ+岡本洋(piano) 広瀬淳二(ts)

2つ目の転機だと思っているこのアルバム。オーネット・コールマンのフォームは彼には普通に入り込めるものだったのでしょう。それはメロディーの音楽だから。メロディアスなフリーフォームはメセニーによってより難解なものから聞きやすいものに、ジャズからフォークソングに消化されたのだと思います。彼はこのメンバーでそれを自分のものにしたのでしょう。チャーリー・ヘイデン、デューイー・レッドマン、ジャック・ディジョネット、そしてフュージョン界の大御所マイケル・ブレッカーの潜在的なメロディー・センスを上手く引き出した作品でもあります。僕にも彼のフリーフォームはポップ・ミュージックに通じる分かりやすさと気持ち良さを感じます。広瀬さん快演でした。岡本洋もどうしてもやりたいというので、キースで参加してもらいました。ただし、和音はなしで。


2nd セット

1.Love Song-ジョン・アバークロンビー
『Timeless』からピアノのヤン・ハマーとのデュオ曲

内橋和久(ag) 岡本洋(piano)

終始マクラフリン的な演奏のアルバムの中、唯一のバラード曲。シンプルなメロディーは1音1音の大切さを改めて感じさせてくれる曲。岡本君と2人でやりました。これも当日までリハなしでした。


2.Paramour - ジョン・アバークロンビー
アバークロンビー・カルテットでの3枚のアルバムの中のファースト、『Arcade』から

アルタードステイツ+岡本洋(piano)

このカルテットは半分以上の曲をリッチー・バイラークが書いている。とても綺麗なメロディー。テーマを弾いているだけでも幸せな気分になる。ただ、ソロになると本当に難解。半音違いの2つの同じコードを同時に押さえるって?当時このサウンドに出会った時に学んだことは、コードというのはメロディーの積み重ねだということ。コードの上にメロディーがあるのでは決してないこと。和声の響きは、音符だけでは表現できないもので、その音の置き方と楽器の音色がとても重要な要素であるということ。あくまで表記すればそうなるが、それをどう弾くか、どう響かせるかなのだということ。それらを学びました。岡本君はそれを熟知しており、僕は彼にその理論を習っていた事もあります。
後にも先にも直接人にものを教わったことはそれ以外にありません。


3.Neptune - ジョン・アバークロンビー
これも『Arcade』より。

アルタードステイツ+岡本洋(piano) 橋本歩(cello)

ジョージ・ムラーツのアルコを橋本さんにお願いしました。アバークロンビーはエレキマンドリンを使用し、かなり高音域の演奏になっています。これもバイラークの曲。本当に美しいです。泣けてくる。ずっとメロディー弾いてるだけでも幸せ。橋本さんのチェロ、とっても素敵でした。


4.Little Brother Bobby - ビル・フリゼル

『Lookout for hope』より。

アルタードステイツ+橋本歩(cello)

僕自身、彼に出会ったことが大きな転機だったと言えると思います。即興演奏という部分ではフレッド・フリスやハンス・ライヒェルが自分を大きく変えた人達なのですが、ギタリストとしてはフリゼルは僕の大ヒーローだった訳です。なので彼を取り上げないわけにはいかないのですが、少々彼の楽曲をやるのにはテレもあります。好き過ぎでしたからね。ギターという和声的にクローズな楽器をピアノばりに、いやそれ以上に膨らませてくれた人は彼以外にいないでしょう。ほとんどギター革命でした。彼から学んだことは、最小限の音数で、最大限のハーモニーを作り上げること。弾かなくても響いている音は敢えて弾かず、そこに必要な響きだけを付け加えるってことです。それと、余韻で音を響かせ、それが頭で響いていることも想定した上で、次の音を加えていくということも彼から学びました。ギターという和声的には貧弱な楽器だからこそ引き出されたアプローチでしょう。
演奏後に芳垣に言われました。「フリゼルの曲やのに、途中から自分になってたやろ」って。正直嬉しかったです。長年彼の呪縛から離れなければと今までやってきましたから、彼から学んだことが、今は自分のものとして熟してきたのだと思えたからです。自分ではなかなか分からないことですからね。このアルバムを最後に彼はECMを去りました。まあ。このアルバムはECMの世界とは本来遠いものですから、仕方ありませんね。個人的には、これ以降のニューヨーク・ダウンタウン・シーンでの彼の活動のほうが興味深いですが。芳垣はジョーイ(バロン)が乗り移ってましたね。
本当に彼の(芳垣もジョーイも)幅広いスタンスには敬服します。


5.The Animal Race - ビル・フリゼル
同じく『Lookout For Hope』より。

アルタードステイツ+橋本歩(cello)

かなりフリーキーな楽曲。おそらく彼はセロニアス・モンクの影響がとても大きいのでしょうね。
もう演奏は普通のアルタードステイツの様でしたが、橋本さんのおかげで踏みとどまれました。


6.Strange Meeting - ビル・フリゼル

アルタードステイツ

じつはこの曲は彼の代表曲ですが、ECMの録音はありません。最初の録音は、ロナルド・シャノン・ジャクソンとメルヴィン・ギブスのトリオでPOWER TOOLSというバンド名義です。アルタードステイツはこのバンドを聞いた事がきっかけで始動しました。僕たちはその意味で今回関係のないこの曲をレパートリーに入れました。彼らしい、とても豊かなハーモニーとノスタルジックなメロディーが心地よい曲です。これは3人だけで。


7.Spiral Dance - キース・ジャレット
『Belonging』から

アルタードステイツ+岡本洋(piano) 広瀬淳二(ts)

先述したマイソングと同じカルテットでの初期の作品。マイソングはメロウなイメージですが、ビロンギングはかなりファンキーです。キースは怪物です。この人はメロディーの宝庫で、溢れ出るもの全てが美しいです。天才を通り越して怪物です。このころはまだガルバレクはテナーサックスがメインでした。マイソング以降はソプラノの比率が増えていますね。もちろんギターは入ってないのですが、キースwithパット・メセニーという設定でテーマ・ユニゾンしました。意外といけてると思いましたが、僕だけでしょうか。じつはこの2人は案外おもしろいと思うのですが、実現しないですかね。


8.Long As You Know You're Living Yours - キース・ジャレット
これも『Belonging』から

アルタードステイツ+岡本洋(piano) 広瀬淳二(ts)

広瀬さんのリクエストでした。この曲はよりファンキーでメロディーがとても長く、覚えにくいのですが楽しい曲です。 広瀬さん、かなりガルバレクってました。本当にあの人の音は綺麗です。テナーサックスであんなに透き通った音を出せる人は日本では彼しかいないと思います。ストレートにサックスを吹くことは全くないそうですが、吹いて欲しいと思うのは僕だけじゃないはず。広瀬さん曰く、今回のせいで、口の形を変えているので、元に戻すのが大変だということです。 すいません,有り難うございました。


アンコール:

Maurizius - エバーハルト・ウエバー
『Later That Evening』から

アルタードステイツ+広瀬淳二(ts) 岡本洋(piano) 橋本歩(cello)

じつはこのアルバム全部やってもいいと思っていたほど、これぞECMというアルバム。エバーハルト・ウエバー名義ですが、これは本来ラジオ番組用に録音されたものがリリースされたもの。ライル・メイズ、ポール・マッキャンドレス、マイケル・ディパスカ、ビル・フリゼルというECMの名アシスト達を起用している。それぞれの持ち味が良く出た、ECMの名盤と言えるでしょう。音楽から見えてくるものを再確認させてくれるとても貴重な音源です。
最後にやる曲としては,この曲をおいて他にないと思いました。広瀬さんはソプラノでなくテナーで、その分僕がメロディーをサポートして演奏しました。岡本君はこのシンプルなアルペジオが、手が小さすぎて大変だったそうです。

最後に;

今回の選曲に当たって、メロディーの美しさ、サウンドの豊かさをポイントにしました。ECMを知らなかった人達もたくさん聞きに来て下さり、こんなに美しい音楽を聞いたことがなかったとか、いつもバカ話をしている友人に言われたのは、こんなきれいな音楽をやる人にくだらない話ばかりしててすいませんとか、なかには感動して涙が止まらなかったと言って下さった方までおり、僕らを通してあらためてECMの貴重な音が人々の心に届いたのだと思うと、本当に感無量です。今回はコピーではありませんが、僕らが続けている再現プロジェクトの意図と通じるところもあり、時代をまたぎ過去の音楽を僕らを通して現代に生きた形で少しでも伝えることができたことを嬉しく思います。
当日は、心を込めて弾くんだということだけに集中して演奏しました。間違えたりもしましたが…。
もう2度と演奏することはないと思いますが、自分にとっても、音楽を始めて以来のいろんなことを考えさせられたいい時間でした。
来て下さった方々とともに、今回手伝ってくれたミュージシャン、スタッフ、ピットインの鈴木さんには深く感謝いたします。有り難うございました。

アルタードステイツ
1990年結成。結成以来固定メンバーで活動を続けている日本で唯一の即興バンド。特定の音楽を演奏せず変幻自在なバンドで、主に「今」を演奏する。
内橋和久
イノセントレコード主宰。1983年頃から即興を中心とした音楽に取り組み始め、国内外の様々な音楽家と共演。映画やダンス、演劇などの音楽も手掛け、音楽家同士の交流、切磋琢磨を促す[場]を積極的に作り出し、即興ワークショップ、フェスティヴァル・ビヨンド・イノセンスを開催。近年はこれらの活動と併行して歌に取り組む。即興音楽家とポップミュージシャンの交流の必要性を説く。NPOビヨンドイノセンスを立ち上げ、大阪でオルタナティヴ・スペースBRIDGEを運営したことでも知られる。ベルリン在住。
http://www.innocentrecord.com/
ナスノミツル
東京アンダーグラウンドシーンで暗躍中のエレクトリックベースマンマシーン。「テネレヴン」においてアンビエントロック展開中。
http://teneleven.info/
芳垣安洋
ジャズ、ロック、歌ものから民族音楽、現代音楽、即興までジャンルを飛び越えてビートとメロディーを紡ぐ打楽器奏者。Orquesta Libreを主宰。
y-yoshigaki.com
岡本洋
ジャンル、形態を問わずあらゆる音楽に対するサウンドプロデュースからプレイ、メジャーからインディーズ、即興音楽からオーケストラスコアに至るまで幅広く卓越した才能を見せる。独創的なそのピアノタッチの美しさには定評がある。
http://rockoncompany.com/artist/124.html
広瀬淳二
http://www.junjihirose.jp/
橋本歩
桐朋学園大学音楽学部卒業。東京を中心にアーティストのライブやツアーのサポート、ストリングス・アレンジ、レコーディング等で活躍。2008年9月から一年間アメリカへ人生修行の旅に出かけ、ボストンのBerklee college of musicに在籍し見聞を深めた。
自身の弦楽器グループ「fabbomusic strings laboratry」や、piano太宰百合とのユニット「AYURI」でも活動中。
橋本歩website「歩だが!」
http://www.ayumi-daga.com/

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FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

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Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
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