Concert Report #662

Japan 311 Memorial “Four Seasons” Benefit Concert vol.3 in NY

2014年3月19日 Tenri Cultural Institute
text & photos (except self-portraits from somewhere else) by 佐伯麻由 Mayu Saeki

        

ニューヨーク・マンハッタンにあるTenri Cultural Instituteにて、2012年の東日本大震災復興援助の資金を集うベネフィット・コンサートが行われた。このイベントの主催者である勝美ファーグソン(バイオリン)の「四季が美しい日本。遠くニューヨークから日本を思う私達の心を、ヴィヴァルディの四季にのせて伝えたい。」という熱い思いに共感し集まったミュージシャン達によるこのコンサートも、今回で3回目となった。

今回のメンバーは以下の通り。
-Mayu Saeki (flute & shino-bue)
-Ayako Shirasaki (piano & ocarina)
-Brooklyn Children's Chorus by Sakura Music School
-Mari Takagi (composition & piano)

-String Ensemble
violins : Akiko Hosoi, Drew Youmans, Sho Omagari, Tallie Brunfelt, Sarah Franklin, Muneyoshi Takahashi, Katsumi Ferguson
violas : Midori Witkoski, Nicole Wright
cellos: Analissa C. Martinez, Marcel Krasner
double bass : Andrew Trombley


佐伯麻由(フルート奏者)による篠笛とフルートによるインプロヴィゼーションが、毎年このコンサートの幕開けとなる。白崎彩子氏(ピアニスト)の美しいオカリナ演奏に続き、初出演の「さくらミュージックスクール」と「ブルックリン日本語学園」の子供達による合唱(ピアノ伴奏はさくらミュージック主宰者である白崎氏)が客席を沸かせる。ジャズスタンダードの<Take the A train>を元気一杯に、また<友達になるために>を手話付きで歌う子供達の姿に、会場全体の気持ちがさらに一体となる。高木真理氏(作曲家)の美しいオリジナル曲<Memories>が、高木氏自身のピアノにバイオリンとチェロが加わったトリオで演奏され、前半は終了。後半は、2012年の初回から変わらず演奏されている、弦楽アンサンブルによる<四季>(ヴィヴァルディ作曲)。ソリストがそれぞれの楽章(春・夏・秋・冬)で交代し、色とりどりの美しい四季の音色が、会場に響き渡る。

今回のコンサートで集まった670ドルは、天理教の被災地支援団体に送られる (詳細はhttp://www.tenri.org/general/japan_fund.shtml)。
前半出演の白崎氏と高木氏からコメントを頂いた。

♪ 私が主宰する「さくらミュージックスクール」のピアノ生徒さん、娘と息子の通う補習校「ブルックリン日本語学園」の生徒さんが集まり、今年の1月にNYカーネギーホールで「上を向いて歩こう」を合唱する機会がありました。せっかくの機会を頂いたので、さらにレパートリーを広げるべく<Take the A train>を英語で、そして<友達になるために>を手話付きで披露いたしました。<Take the A train>ではフルートの佐伯麻由さんに賛助出演して頂き、とても華やかでジャジーな仕上がりになったと思っています。演奏する側も聴く側もハッピーになれ、またその合わさった力が東北復興に向けて微力ながらもサポートできたのでは、と感じています。(白崎彩子/ピアニスト)

♪ 今回は音楽仲間で仲良くさせていただいている白崎彩子さんが声をかけてくださり、勝美さんとも知り合いでしたので、オリジナル曲を演奏させていただけないかとお願いしました。自分の曲を披露できる場があるのは、作曲家にとってすごくありがたいことなので、快くひきうけてくださった勝美さんをはじめ、演奏してくださったみなさんにとても感謝しています。(高木真理/作曲家)

私(佐伯)自身、2012年の初回から今回まで3回このイベントに出演し、主催者の勝美ファーグソン氏の熱い思いに、出演者として、また彼女の友として言葉にならない思いがある。二児の母でもある勝美氏。母のバイオリン演奏を静かに聴くまだ乳児のアマニ君、そして母を支える逞しい長男の柾月君の姿も会場にあった。このイベントは、遠いニューヨークから東北復興を祈るミュージシャン達により、来年(2015年)もニューヨークで行われる予定である。

佐伯麻由(さえきまゆ/フルーティスト)
www.mayusaeki.com
関連リンク:
http://www.jazztokyo.com/rip/chico/chico.html



佐伯麻由 篠笛(アーカイヴより)


佐伯麻由 フルート(アーカイヴより)


主催者 勝美ファーグソンさん


合唱
「さくらミュージックスクール」+
「ブルックリン日本語学園」


合唱
「さくらミュージックスクール」+
「ブルックリン日本語学園」


弦楽アンサンブル


弦楽アンサンブルのメンバー


白崎彩子さんとジャズ・ベーシストの岡田典子さん

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FIVE by FIVE 注目の新譜


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追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
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