Live Report #725 |
JAQUES MORELENBAUM, PAULA MORELENBAUM & GORO ITO |
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伊藤ゴローを初めて認識したのは、2013年の『Getz / Gilberto + 50 produced by 伊藤ゴロー』とそのライブの存在だった。伊藤はギターで参加し全体をプロデュース、坂本龍一、清水靖晃、菊地成孔、土岐麻子、原田知世をはじめ19人が愛をこめてカヴァーという企画。ボサノバ・ギタリストであり、作曲家で、プロデューサー。布施尚美とのボサノバ・デュオ naomi & goro、ソロ・プロジェクト MOOSE HILL での活動を続けながら、多くのミュージシャンと共演し、プロデュースを行い、映画・テレビドラマ・CM音楽なども手がける。5月には原田知世『noon moon』への楽曲提供も行っている。2013年12月にサード・ソロアルバム『POSTLUDIUM』を発表した。今回のライブでも『POSTLIDIUM』からの曲を演奏していたが、その美しいハーモニーのセンスと、ストーリーが光り、ジャケス・モレレンバウム、パウラ・モレレンバウムというこれ以上ないミュージシャンを従えてすばらしい演奏を聴かせてくれた。
今回がジャケスとパウラのライブを聴くのは“初めて”だったが、最初の一音からジャケスのチェロ、パウラの声には、打ちのめされ、酔わされた。フレーズとして認識する以前に、音色だけ、響きだけ、ヴィブラートだけで、サウダージ溢れて、愛しさ切なさが伝わる。一音にここまでのインパクトを感じる機会はそうはなかった。ジョビンもカエターノもジスモンチも坂本龍一もスティングも一緒に演奏したいと思うのがよくわかる。特にジャケスのチェロには魂を持って行かれるほどで、これまで積極的に聴いてこなかったのが悔やまれた。MORELENBAUM2/SAKAMOTO『CASA』が名前を認識して聴いた最初だった。しかし、これには理由がある。ジャケスは1954年リオデジャネイロ生まれだが、40年間に720枚のレコード/CDに参加する中で、リーダーアルバムがなかった。終演後にジャケスと話すと、間もなくアルバム『CelloSambaTrio』をリリースするということと、それにあわせて来日できたらと語っていた。そして、ボサノバの名曲を歌い上げるパウラの歌声の美しさと、それを包みこむ日本ブラジル混成のすばらしいグループのサウンドとハーモニー、至福の時だった。小川のドラムスとパーカッション、澤渡のピアノの演奏も素晴らしかった。
もしやと思って振り返ると、大好きな『Egberto Gismonti / Infancia』(ECM1428)はチェロにジャケス・モレレンバウムの名前があったことを思い出した。そして、ストリングスの美しさとグルーヴに酔ったカエターノ・ヴェローゾのコンサートもジャケスだったことは間違いない。ライブもすでに聴いていたことになる。
はじめましてのつもりで、お久しぶりで、おかえりなさいになってしまったこのコンサート。今回の来日のきっかけを作ってくれた伊藤と関係者の方々に深く感謝したい。ジャケス・モレレンバウム、パウラ・モレレンバウム、伊藤ゴローにはこれから注目して行きたい。何よりも『CelloSambaTrio』を聴くのが楽しみだ。
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
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#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
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JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
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#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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