Concert Report #789 |
第44回サントリー音楽賞受賞記念コンサート/藤村実穂子 |
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現代最高のメゾ・ソプラノの一人と呼ばれる藤村実穂子の第44回サントリー音楽賞受賞記念コンサート。昨年、紫綬褒章も受賞している。芸大大学院からミュンヘン音大に留学中、ワーグナー・コンクールで事実上の優勝、世界各地の歌劇場に招かれ、ステージに立ち、文字通り世界を飛び回るメゾである。
音楽の裸形をそのままそっくり差し出す歌人(うたびと)。そのたおやか、かつ凛とした歌のたたずまいはどの曲目にも共通するもので、余分な演出がいっさいない。したがって聴衆は熱狂する、というより、心を洗われる、といった感じになり、傾聴の姿勢になる。
そんな聴衆が沸いたのが、サン=サーンスの『あなたの声に私の心は開く』。終句の「Samson! Je t’aime!」(サムソン、愛しているわ!)が静かに虚空に消え入ったとたん、思わずかかったあちこちからのブラボーは、心底、魅了された嘆声とともに発されたもので、それは大仰な歓呼とは別個のものだった。私も、夢みたいに美しい!と陶然と心につぶやいたものだ。ハープの調べにいざなわれ、フランス語のディクテーションを繊細に声にころがし、春の微風が吹き抜けてゆくような、ほんのり甘く、しっとり露を含んだその歌。オペラでのシーンを彷彿させる。藤村も、この歌と、その出来映えには格別の気持ちがあったらしく、拍手に応え、胸の前で合わせた手を何度も握りしめていたのが印象的だった。あまりこういう動きをする人ではないので。
バッハは清冽に。シューベルトは、魔王、父、息子の3者を声で克明に描き分け、凝縮したドラマに。『ヴェーゼンドンク歌曲集』は官能的で、いかにもワーグナーらしい夢幻世界をたゆたって。『ワルキューレ』のフリッカは、夫への怒りと妻の寂寥を濃やかに演じて。むらのない、良くコントロールされたなめらかな美声がホールにしみとおる。どんな時も圧迫感のない、その響きの品格。さすがの歌姫であった。
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
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#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
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JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
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#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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