EMI TOCE 90150-51 3,200円(税込)
サイモン・ラトル指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
合唱:リベラ
CD2枚組+特典DVD
※日本盤のみ特典DVD付
・サイモン・ラトル・インタビュー
・ 「くるみ割り人形」演奏映像(約30分)
録音:29~31 December, 2009
CD-1 :Studio recording
CD-2 :Live recording
Location :Philharmonie Berlin
Producer & Editor:Christoph Franke
Recording Engineer:Rene' Moeller
透明感あふれる優秀録音であり、音の艶々した質感は、聞くシステムの壁を越えて心に伝わっていく。
さて、このディスクの特長は、第一幕が、スタジオ録音。第二幕が、ライブ録音と、異なる環境で録音されていることだ。と言っても、データを見ると、フィルハーモニー・ベルリンと同一場所である。つまり、空っぽか、演奏会録音かの違いである。私が、興味を持ったのは、その空っぽと演奏会の音の違いである。オタクっぽいが、オーディオ指向から、これは興味ある録音でもある。私がクラシック録音も手がけていた時分、ディレクターに、音決めは出来たけど、これで客入れをしたら音は変わるだろうね。と話していたことを思い出す。
大いに変わるのだ。このCDに、それが鮮明に現れている。
音の艶と鮮明さは、スタジオ録音だが、音の潤い、暖かさは演奏会だ。フィルハーモニーの音響は、多分にコンクリート壁の反射が大きく作用する。その反射音の成分の強さが、スタジオ録音には鮮明に現れている。演奏会は、聴衆の温度を感じる暖かさがある。反射成分が人間による吸音で、ホールの音響は変わる。残響を数値で表す事例はよく見かけるが、空席時でも満席時でも残響の数値はそれほど変わらないと、実際のホールの数値は示すが、ここで聞かれるように、音質は驚くほど変わる。
録音の良さは強調するまでもなく、オーケストラの空間表現、遠近感、パノラミック表現を最高の音質で堪能できる。指揮者の細かいバランス指示を手に取るような感覚で聞ける木管楽器の表情、弦楽器のピアニッシモ、何処を取っても息の詰まるような繊細な録音だ。ちょっとオンな表情、ちょっとオフな表情、その聞き分けにも、遠近の臨場感が溢れ、ステージ・サウンドの空間が、スピーカーの前に現れる。
なお、DVDも同梱されていて第二幕のライブをDVD鑑賞できる。
及川公生:1936年、福岡県生まれ。FM東海(現・FM東京)を経てフリーの録音エンジニアに。ジャスをクラシックのDirect-to-2track録音を中心に、キース・ジャレットや菊地雅章、富樫雅彦、日野皓正、山下和仁などを手がける。2003年度日本音響家協会賞を受賞。現在、音響芸術専門学校講師。著書にCD-ROMブック「及川公生のサウンド・レシピ」(ユニコム)。
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
:
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
:
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
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#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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