#31. エディタ・グルベローヴァ
(コロラトゥーラ・ソプラノ)
2011年9月20日  神奈川県民ホール
2011年10月9日  サントリーホール



 震災後、来日が注目されていたバイエルン国立歌劇場の日本公演が9月から10月にかけて行われた。開幕のトップを切って上演されたのがドニゼッティのロベルト・デヴェリューである。この演目の話題の主はコロラトゥーラのエディタ・グルベローヴァである。2008年、ウィーン国立歌劇場来日公演で演奏会形式で上演されたが、待ち望まれていた本格的なオペラ公演が今回実現した。エリザベッタ役は両方ともグルベローヴァである。老いてゆく女王の愛と苦しみと孤独を彼女ならではの演技と歌唱を惜しみなく聴衆に与えた。今回の演出では英国のエリザベス朝の女王を現在の女社長に置き換えていたが違和感はなかった。グルベローヴァなくしてこのオペラは成り立たないと言われているがその存在感に納得。聴衆に大きな感動を与えた。
 東日本の震災にも心を痛め、どうしたら被災された人たちに手を差し伸べられるかを日本に到着直後から考えていたという。そして実行したのが、津波で親をなくした子供のことを想い、出演料の中から1万ユーロを、あしなが育英会の津波遺児基金に寄付した。来てよかった、本当にそう思います、と語る。
 初来日は1980年のウィーン国立歌劇場の日本公演。カール・ベーム指揮の「ナクソス島のアリアドネ」でツゼルビネッタを歌う。34歳の伸びやかな歌が注目された公演だった。今もその声の魅力は少しも衰えていない。その若さと健康の秘密を尋ねると、神の思し召しです、と微笑みが返ってきた。オペラ・アリアの夕べのコンサートのサイン会には300人のファンが並んだ。

林 喜代種:東京都日野市在住。80年代初めより現在までクラシック音楽を撮影。一時フォーク・ロック・ジャズ・ 民族音楽も。いま、落語・文楽に興味。(社)日本写真家協会会員

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追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
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#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
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CONCERT/LIVE REPORT
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