現役世界最年長の指揮者である。１９２３年ポーランド生まれの今年８８歳。
　来日経験も豊富で音楽ファンには馴染みの指揮者。今秋はザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団を率いての来日。スクロヴァチェフスキーの代表的レパートリーであるブルックナーの曲を組み入れたプログラムで聴衆の待ち望んだものである。彼の指揮はたんたんと進むが一本筋の通った音楽創りに聴衆はいつの間にか魅了されていく。曲が進むにつれてエネルギーがほとばしる。聴衆はその音楽からエネルギーをもらう。終演後のサイン会には１００人以上の彼のファンが列に並ぶ。一人ひとりに丁寧にサインをする。当日演奏された曲のスコアーを持ってくるファンも多い。毎回サインをもらい、 そのスコア―に数多くの演奏毎の日付けが並んでいる。マエストロの誠実さをも垣間見ることができる。
　この１２月にはＮＨＫ交響楽団でベートーヴェンの｢第九｣を指揮する。
　また２０１２年３月には読売日本交響楽団を指揮する予定である。ますます元気はつらつなマエストロの音楽に多くの若いファンが酔い痴れる。本当に若さを中に秘めた不思議な魅力持った類まれな巨匠である。
　カーテンコールに応じてひとりで現れたマエストロにファンは惜しみなく心地よい拍手を送る。