高校を卒業する18歳や19歳の頃に人と関わり合いながらたっぷり何かに没頭したり自分を見つめなおす時間を持てたらすごくいいな。
そういうふうに考えたことはないでしょうか。
北欧には "フォルケ ホイスコーレ" という学校制度がある。生徒のほとんどが高校を卒業したばかりの子供たちで、彼らは1年間ここで住み込みの共同生活をしながら共に学ぶ。
ノルウェーにも80近くのフォルケ ホイスコーレがあり、学校によって学べる分野が様々だ。それは音楽をはじめ、美術、写真、音響・舞台、ダンスなどの芸術分野からコンピューター、メディア、文化・社会学習、スポーツなど多岐にわたる。
ノルウェーでジャズを学べるフォルケ ホイスコーレはトーンハイム・フォルケ ホイスコーレ(Toneheim Folkehoyskole)とスン・フォルケ ホイスコーレ(Sund Folkehoyskole)の二つがある。ノルウェー国立音楽大学で学ぶ友人の多くもこれらの学校の卒業生で、みんな口を揃えてフォルケ ホイスコーレで学んだ一年間は本当に人生において大切な時間だったと言う。
先日コンサートのアために友人の出身校であるトーンハイム・フォルケ ホイスコーレを訪れ、そこの学校の運営をされている方と話しをさせていただく機会があった。海外の生徒も積極的に受け入れているそうで日本の子供たちにも是非たくさん来てもらいたいと話されていた。つねに多くのノルウェー人に囲まれて生活するのでノルウェーの大学を受験するのに必要なノルウェー語の習得に役立てることもできる。入学試験やテストがなく “学びたいから学ぶ”という気持ちに溢れた子供たちの姿がある。海外で生まれ育った子供や障害をもった子供たち、いろいろな背景を持った子供たちが一緒に助け合いながら暮らし学んでいる。そういえばノルウェーの友人は面倒見がいいというか、ちょっとでも困っていたらすぐに助けようとしてくれるが、これはフォルケ ホイスコーレで共同生活の経験をした彼らだからうまくできることなのかもしれない。
私がいつか子供を持つことがあれば、このような学ぶ場があることを教えてあげたい。
編集部註:
https://twitter.com/folkehojskole
田中鮎美:
3歳から高校卒業までエレクトーンを学ぶ。エレクトーンコンクール優勝、海外でのコンサートなどに出演し世界各国の人々と音楽を通じて交流できる喜びを体感する。
その後、ピアノに転向。ジャズや即興音楽を学ぶうちに北欧の音楽に強く興味を持つようになり、2011年8月よりノルウェーのオスロにあるノルウェー国立音楽大学(Norwegian Academy of Music)のjazz improvisation科にて学ぶ。Misha Alperinに師事し、彼の深い音楽性に大きな影響を受ける。
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
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#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
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JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
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#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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