オスロも少しずつ日が伸び春らしい空気になってきた。この季節に道を歩いていると雪の解ける音がするのだが、川の流れる音のようで心地よい。
ノルウェー国立音楽大学、ジャズ科出身のメンバーによるグループ "Karokh" のデビューCD 『Karokh』 が2月1日、ニューヨークを拠点とするレーベルLoyal Label (http://www.loyallabel.com/)からリリースされた。
自らの音楽をエクスペリメンタル・ロックと話すKarokhは、既存のジャンルに自らを当てはめるのではなく、ノイズロック、ミニマル、フォーク、インプロヴィゼーションなどの音楽の要素を自分たちの方法で奏でる。それらは時に突拍子もなかったり、断片的であったりし、聴くものを驚かせたり心地悪さに誘うのだが、良いバランスでコントロールされている。曲のアレンジ、バンドのオーケーストレーションがうまく作用しているのであろう。一見カオスに陥りそうな要素も巧みに用いられ、楽曲やCDアルバムとして通して新しいサウンドでありながら聴きやすいという印象を受ける。また楽器の多彩な奏で方、それらの用い方も楽しむことのできる要素の一つだ。一つの楽器に絞って聴いてみるのも楽しみ方の一つなのかもしれない。
ノルウェー国立大学ではジャズ科といってもジャンルでは括ることのできない様々な音楽が行われていることは以前から述べてきたが、『Karokh』を聴くとそのことを感じとることができるであろう。
Karokh:
Ina Sagstuen - ボーカル
Thomas Husmo Litleskare - トランペット
Christian Skaar Winther - ギター
Jonas Cambien - シンセサイザー
Jan K Hovland - シンセサイザー
Magnus Skavhaug Nergaard - ベース
Jan Martin Gismervik - ドラムス
Facebookページ:
http://www.facebook.com/Karokhband
ウェブ:
www.karokh.com
ミュージックビデオ:
<Flowers every day>
https://vimeo.com/76259905
<Into the wild>
http://www.youtube.com/watch?v=Ivj0hn6bg6Y
Soundcloud:
https://soundcloud.com/karokh/sets/karokh-karokh-loyal-label-2014/s-VwoaM
田中鮎美:
3歳から高校卒業までエレクトーンを学ぶ。エレクトーンコンクール優勝、海外でのコンサートなどに出演し世界各国の人々と音楽を通じて交流できる喜びを体感する。
その後、ピアノに転向。ジャズや即興音楽を学ぶうちに北欧の音楽に強く興味を持つようになり、2011年8月よりノルウェーのオスロにあるノルウェー国立音楽大学(Norwegian Academy of Music)のjazz improvisation科にて学ぶ。Misha Alperinに師事し、彼の深い音楽性に大きな影響を受ける。
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
:
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
:
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
:
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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