『Cyminology/Saburi』
text by Kimio OIKAWA

ECM 2164

Cymin Samawatie (vo)
Benedikt Jahnel (p)
Ralf Schwarz (db)
Ketan Bhatti (ds, perc)


1. Sibaai
2. Saburi
3. Shakibaai
4. Norma
5. As maa
6. Nemibinam
7. Hedije
8. Hawaa

Recorded by Jan Erik Kongshaug@Rainbow Studio, Oslo, January 2010
Produced by Manfred Eicher



オン・マイクだが距離感を感じさせるコングスハウクのヴォーカル録音

レインボウ・スタジオ工房からのサウンド・ステージが心地良く広がる。エンジニアのエリック・コングスハウクの手に掛かる特有の音は、やはり物まねの出来ないテクニックだ。興味津々で聞いたのはヴォーカルである。これまでコングスハウクのヴォーカルは聞いていない。オン・マイクだけど距離感を感じさせ、小さなホールでの響き。とは言え、収録時から少し距離感を持たせたマイキングが聞いて取れる。やはり、いきなりリヴァーブ付加に頼る事はしていない。これが、音像の風景を決定付けて、何時ものレインボウ・スタジオのピアノの音が覆い被さり、心地いい音色にいつしか耳を傾けている。
しかし、突然響くパーカッションのギクッとするオン・マイクの不意を突かれた音像の鮮烈さは、神経のちぎれそうな感触だ。
ピアノの美しさ、これは弾き手のテクニックが大きいが、いつも言うようにレインボウ・スタジオ特有の響きであり、調整、調律の丁寧さにも負っている。事前の神経の行き届いた気配りを知る。情報によると新型のスタインウェイを装備したとのこと。この響きに腕まくりをしているコングスハウクの姿が目に浮かぶ。

及川公生:1936年、福岡県生まれ。FM東海(現・FM東京)を経てフリーの録音エンジニアに。ジャスをクラシックのDirect-to-2track録音を中心に、キース・ジャレットや菊地雅章、富樫雅彦、日野皓正、山下和仁などを手がける。2003年度日本音響家協会賞を受賞。現在、音響芸術専門学校講師。著書にCD-ROMブック「及川公生のサウンド・レシピ」(ユニコム)。

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追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
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COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
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#10 Contents
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