Vol.24 ノルウェーの若手トリオ「Lana Trio」
text by 田中鮎美 Ayumi Tanaka

 ノルウェーの若手ミュージシャンによるトリオLana Trioの2枚目のCD『ライブ・イン・ジャパン』(http://www.vafongool.no/#!lana-trio/cs66)がVa fongoolからリリースされた。本作は今年の2月に彼らが来日した際に録音されたもので、収録曲すべて即興演奏である。
 音楽にラベルを貼るのはあまり好きじゃないけれど、もし彼らの音楽をジャンルにあてはめる必要があるとしたら“フリージャズ”というのが一番ふさわしい気がする。音楽におけるフリー(自由)とは何か?とよく思うのだけれど、それは自由になるために必要な道具を持つことだと思う。そういう意味で彼らのインプロヴィゼーションはフリーである。音質、密度、速さ、間、強弱などの音楽要素におけるコンセプトがはっきりしていて、それがアンサンブルを自由度の高いものへと導いている。一見難解に聴こえるが、どの瞬間においても音の意図を明確に感じることができる。また全体として抽象的な印象の演奏の中にも継続的な旋律の対話が見られ、それが音楽を立体的なものにしている。リズム楽器であるドラムが旋律のように奏でられているのも美しく印象的である。
 そんな彼らが10月の後半から11月初旬にかけて来日するという。ECM Recordsの音楽に魅了されノルウェーに来た私も、ここに住むようになってから予想していなかったような様々な音楽シーンを知ることになった。彼らの音楽を通して、現在のノルウェーの音楽を感じてみられてはいかがでしょうか。

Lana Trio(ラナトリオ)
Andreas Wildhagen (ドラムス)
Kjetil Jerve (ピアノ)
Henrik Munkeby Norstebo(トロンボーン)

日本ツアー2014秋スケジュール
10月30日 音楽実験室新世界(東京)
10月31日 Layla(姫路)
11月1日 グッゲンハイム邸(神戸)
11月2日 Spinning mill (大阪)
11月3日 京都ブルーノート(京都)
11月4日 Jazz spot Candy(千葉)
11月5日 音楽実験室新世界(東京)
11月6日 妙善寺(東京)

ホームページ :http://www.lanatrio.com
Va fongool:http://www.vafongool.no/

田中鮎美 Ayumi Tanaka
3歳から高校卒業までエレクトーンを学ぶ。エレクトーンコンクール優勝、海外でのコンサートなどに出演し世界各国の人々と音楽を通じて交流できる喜びを体感する。その後、ピアノに転向。ジャズや即興音楽を学ぶうちに北欧の音楽に強く興味を持つようになり、2011年8月よりノルウェーのオスロにあるノルウェー国立音楽大学(Norwegian Academy of Music)のjazz improvisation科にて学ぶ。Misha Alperinに師事し、彼の深い音楽性に大きな影響を受ける。

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FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
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オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

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