スイス生まれのオーボエ奏者、指揮者＆作曲家である。日本ではオーボエ奏者としてのホリガ―の方が良く知られているかもしれない。指揮者としてベルリン･フィル、ウィーン・フィル、アムステルダム・コンセルトヘボウ、クリ―ヴランド管、バイエルン放送響、ヨーロッパ室内管など世界の一流のオーケストラを指揮している。また作曲家としては、チューリッヒ・オペラで上演された、ロバート・ヴァルサー作によるオペラ「白雪姫」は国際的に高い評価を得ている。今回の日本公演ではホリガ―自身の作品は、オーケストラ作品として「音のかけら〜管弦楽断章〜ダヴィッド・ロカの想い出に」が、室内楽では「オーボエのためのソロ・ソナタ」と「チェロとピアノのためのロマンセンドレス」が演奏された。オーボエ演奏者としてだけでは括れない多彩な才能の持ち主である。

またその魅力ある人間味はそのまま音楽上にも表れている。大音楽家とは思えない穏やかさをもっているが、ひとたび舞台上の人となると冴えた音色と豊かな空間で魅了する。ホリガ―の作品は先鋭的であるが余韻が心地よい。日本でのオフステージは居酒屋で過ごすのがすこぶる大好きとのことである。焼き鳥をつまみに日本酒で一杯やるのが楽しみだという。刺し身や寿司などの生魚はダメらしいが、焼き魚は大丈夫とのことである。夫人でハーピストのウルスラ・ホリガーは急病のため来日中止になった。ホリガ―作曲のオーボエとハープのための二重奏が予定されていたが中止で聴くことができなかった。