デイヴィッド・ジンマンは１９３６年ニューヨーク生まれ。今年７７歳になる。NHK交響楽団には２００９年１月に初共演。今回４年振り２度目の客演である。２０１１年にはチューリヒ・トーンハレ管弦楽団の指揮で来日している。６歳でヴァイオリンをはじめる。音楽教育はオバーリン音楽院そしてミネソタ大学でヴァイオリンと作曲を学ぶ。タングルウッド音楽センターで指揮を勉強中に大指揮者ピエール・モントウーに注目され、ロンドン響とオランダ音楽祭への出演という大役を任される。ジンマンはボルチモア交響楽団を彼の指導のもとアメリカの最重要オーケストラに成長させた。ミュンヘン・フィル、ロンドン・フィル、ベルリン・フィル、バイエルン放送響など世界のオーケストラから招かれている。１９９５年からチューリヒ・トーンハレ管弦楽団の首席指揮者に就任し現在に至る。２０００年にフランス政府より芸術文芸シュヴァリエ勲章を授与される。ジンマンの名が世界中に知れ渡ったのは１９９５年チューリヒ・トーンハレ管の音楽監督に就任して、ベートーヴェンの交響曲全曲をベーレンライター新全集で録音をした時からである。ホルン・トランペット・ティンパニーはベートーヴェン時代に用いられた楽器を使用するなど自在な解釈が受け入れられた。ジンマンの指揮は正確で温かみがある。指揮中に胸に手を当てて静かに楽員に合図を送る。ここは心で表現するところだというように、とても印象的な指揮姿だった。小柄ながらも指揮台のジンマンの存在は大きかった。