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Vol.31 |
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先日、G2usのニューヨーク在住時にいつも手伝ってくれるギタリストが来日した。(彼は、優れた録音エンジニアでもある。)
ノーマン・ジョンソン
実に素晴らしかった。場所は、JAZZの老舗TOKYO TUC。ジュン・ビザンツ(vo)、アレックス・ナシモフスキー(p)、ポール・ブラウン(b)。
久しぶりに会って録音談義にも花を咲かせた...。
現代JAZZギターの至宝カート・ローゼンウィンケルと肩を並べると言っても過言ではない。
ノーマンは、熱い魂を漲らせながら、常に冷静に自己を見つめている
さて、
自分を客観的に見るということは、難しい。
常に人間は、主観の中に生きている。
そして、ほとんどの人は自分の考えを正しいと思い込んで生きている。
演奏家も自分の演奏を生で、客観的に聞くことはできない。
だから録音という行為があるのかも知れない。記録という目的は別にあるとしても...。
今回は、少し襟を正してプレイヤーとしての、私の録音について語りたい。
(ノーマンとの邂逅で個人的に、いろいろ思い起こすことがあった。)
そう、少しマニアックに...。
歴史的邂逅を含めて...すべてを情報公開...。
古くは(1970年代、30年以上前),TEACの4チャンでやれることは、ほとんどやった。ピンポン録音に始まり、ビデオテープに一回落としてからひっくり返してみたり...。
ヤマハのDX7が出てから,MIDIができて、MIDIシンセのシーケンサー機能が入っているKORGのM1が出た時に、M1でドラムマシンをシンクさせて動かす。
そしてシンク信号をMTRに入れる。
1987年にきちんとMACを導入して、それからかなりシステマテックになった。(私が、パーソナル・コンピュータという代物を最初に買ったのは、1977年SONYのディスプレイにYAMAHAのキーボード、それから往年のNEC...。
プラス...LC...この時、EZ VISIONを入れて、全部MIDIでシンセを一塊にしてMTRの2チャンに入れて、残りにリードギターを入れる。
ギタリストとして、宅録の形式としてはこの方法が長かった。宅録という言葉もまだなかったような気がする...。
勿論、生楽器はテープMTR。
その後、AKAIのDR4dハードディスクMTR。しかしこれは、MIDIボードを入れないとMIDIが動かない。
1チャンにタイムコードを入れて、残りの3チャンでやる。出始めの頃は、いろいろ制約があった。
シーケンスソフトですが、EZ VisionをPerformerに変えた。
Digital Performerにはすぐ行かなかった。
G3に環境が変わったらLogicにした。
この頃、道具から音楽創造が、触発されるということを感じた。
新しい物に向かう事によって、何かを作る時にそこからインスパイアされるということがある。
転換期であった。
所詮、道具は道具、人間が道具に使われるのではなく、道具が人間に使われる...。
この頃、私の関連のあったゲーム(スカイシンクシステム株式会社。現在は、SKY株式会社)Tくるりんぱ U新型 くるりんぱ Vハームフルパークが発売された。
サンプラーは、
一応AKAIは、あるけれど、音程つけるような使い方はしない。最近は、シンセを目一杯入れる事がなくなったので、ディストーション・ギターがバーンと入って、中でアナログ・シンセがちょっと飛び音である位。
それから、音程が全然関係ないやつは、Logicにそのまま取り込む。
生もののこだわりは結構ある。
自宅という環境ゆえにアンプは鳴らせないという前提で、家でしか作れないものを作れればいいという感覚。これは、決して、妥協ではない。
サウンドボードは、EmagicのBreakout 8。Audio-Werk 8(Emagic)がスロットに入っていて、それのコンバーター。
これは,CPU依存型だから、あんまりたくさんのトラックを使ったり、プラグインをいくつも仕掛けるというのは、大変だけど自宅で作るものに関しては、なんら問題ない。
ギターを鳴らすときは、POD。Sans Ampの時もあったけど、最近は、ギターよりも歌にかける。エキサイター的な感じですごく抜けが良くなる...。
マイクは、普通のShure 57 58。
エフェクターはほとんど、コンピューター上でかける。
Logicに入ってるプラグ・イン・エフェクトは、アウトボードの聴きなれたものと比べると、癖はあるから、「あっ、Logicだ。」とすぐわかると思うけど、それが、逆に新鮮に感じる...。単純な熱さが入る...。
現在の録音仕様については次号に譲るとして。
何はさておき、原点は、人間の魂 人間の心。音楽はそのひとつの表現、そして、魂や心を音という形にしたもの。道具は、どう進化しようとあくまで道具に過ぎない。録音は、その記録。熱い魂と冷静さこの両方がいつも必要。
この二つを、いいバランスでアウフヘーベン(止揚)することは、至難の技。
しかし、この二つをものの見事に、演奏家(ギタリスト)として録音エンジニアとして併せ持つ、ノーマン・ジョンソンは、稀有な存在だと思う。
今月18日、我々(G2us)もそのステージに立つ。
*「G2us」デビュー・ライブ@TOKYO TUC
■ OPEN 18:45 START 19:30
■ Music Charge \2,500(税込\2,625/当日\500 up)
■ G2us:高谷秀司(g) マサ大家(g) 友成好宏(pf) 渡邊裕美(b) 正岡淳二(ds)
高谷秀司(たかたに・ひでし)
1956年、大坂生まれ。音楽家、ギタリスト。幅広いジャンルで活躍。人間国宝・山本邦山師らとのユニット「大吟醸」、ギター・デュオ「G2us」でコンサート、CDリリース。最新作は童謡をテーマにしたCD『ふるさと』。2010年6月から約1ヶ月間、オーストラリアから招かれ楽旅した。
www.takatani.com
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
:
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
:
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
:
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
:
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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