『菊地雅章トリオ/サンライズ』
text by Kimio OIKAWA

ECM/ユニバーサル
UCCE-1131 2,600円(税込)
4月4日発売予定

菊地雅章(p)
トーマス・モーガン(b)
ポール・モチアン(ds)

1. Ballad 1
2. New Day
3. Short Stuff
4. So What Variations
5. Ballad 2
6. Sunrise
7. Sticks And Cymbals
8. End Of Day
9. Uptempo
10. Last Ballad

録音:ジェームズ A.ファーバー@アヴァター・スタジオ NY、2009年9月14-15日
プロデューサー:マンフレート・アイヒャー

対話の空気が読める素晴らしい録音

ECM特有の4秒間の沈黙から、すがすがしい透明感を放つピアノが響く。Avatar Studioと録音は巨匠 James A Farber。従来のECMとは相当に異なるサウンドと予感を持って臨んだが、実際に耳に届いたのは、ピアノの緊張感が光線のように突き刺すサウンドだ。ECMがいつも聞かせるピアノの音である。徹底してECMの頑固なまでのサウンドのこだわりと、リバーブがピアノを飾る。この手法は徹底していて、透明だが、少しも薄っぺらではないし、肉厚音を束ねているところがファーバーのサウンドかもしれない。低音域の和音に濁りがないし、リバーブによる混濁はない。
ドラムスの神経の行き届いたマイキングを注視。(写真 cJohn Rogers/ECM)その結果がこの音だ。ピアニッシモのドラムスは、スネアー、シンバル、タム、ともに微少音の美しさを聞かせ、そして聞く者は緊張を強いられる。小さな音に敏感に反応するマイキングを感じ、スネアーの表皮の質感とタムの共振が細かく聞けて、奏者の神経の細やかな表情が聞こえてくる。
ベースの軽やかさ、押しつけのない音の処理に注目した。音像を太く描き出しながらも音作りのない自然さが心地いい。ベースの背景に広がるピアノの空気感と遠いイメージのドラムス。対話の空気が読める素晴らしい録音だ。

及川公生:1936年、福岡県生まれ。FM東海(現・FM東京)を経てフリーの録音エンジニアに。ジャスをクラシックのDirect-to-2track録音を中心に、キース・ジャレットや菊地雅章、富樫雅彦、日野皓正、山下和仁などを手がける。2003年度日本音響家協会賞を受賞。現在、音響芸術専門学校講師。著書にCD-ROMブック「及川公生のサウンド・レシピ」(ユニコム)。

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