『ノラ・ジョーンズ/リトル・ブロークン・ハーツ』
text by Kimio OIKAWA

EMIミュージック・ジャパン TOCP-71280
2,300円(税込)



1. グッド・モーニング
2. セイ・グッバイ
3. リトル・ブロークン・ハーツ
4. 彼女は22歳
5. テイク・イット・バック
6. アフター・ザ・フォール
7. 4 ブロークン・ハーツ
8. トラヴェリング・オン
9. アウト・オン・ザ・ロード
10. ハッピー・ピルズ~幸せの特効薬
11. ミリアム
12. オール・ア・ドリーム
13. アナザー・サウンド (日本盤ボーナス・トラック)

プロデューサー:デンジャー・マウス
Engineered and recorded by Kennie Takahashi and Todd Monfalcone
Mixed by Kennie Takahashi at Canyon Country, CA

アナログ全盛の頃に流行った絶賛のサウンド

アナログ全盛の頃に流行ったサウンドに満ちあふれている。これほど確かな手応え(聞き応え)で聞かされたことが驚きだ。何処にも透明感とか澄み切ったとかは無い。しかし、このサウンドの満足感は何だろうか。
ギターのゴリゴリ引っ掻く弦の唸りとか、綺麗とかは言えないが、凄みのど迫力は力を込めて、凄い録音だぞと言いたい。ベースしかり、ドラムスしかり。キーボードも、何処かしら歪みが乗っていて、エネルギー描写の隠し味となっている。楽器に潜む歪み感は、最近あまり聞かれなくなった。かつて聞いていた、これらの隠し味が蘇ってきた。
ボーカルにも工夫が一杯。デッドな音に短いリバーブ。かと思えば空間イメージの豊かなリバーブ。そのバックを支える音の固まりは低音の濃縮だ。そんなに低音域に伸ばしているわけではないが、エネルギーが噴出する。小型スピーカーが、ブリブリうなる。ざらつくと言えば否定的だろうが、これは、ざらつくから絶賛のサウンドとなる。

及川公生:1936年、福岡県生まれ。FM東海(現・FM東京)を経てフリーの録音エンジニアに。ジャスをクラシックのDirect-to-2track録音を中心に、キース・ジャレットや菊地雅章、富樫雅彦、日野皓正、山下和仁などを手がける。2003年度日本音響家協会賞を受賞。現在、音響芸術専門学校講師。著書にCD-ROMブック「及川公生のサウンド・レシピ」(ユニコム)。

JAZZ TOKYO
WEB shoppingJT jungle tomato

FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


Copyright (C) 2004-2015 JAZZTOKYO.
ALL RIGHTS RESERVED.