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Vol.41 |
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パレスチナのことを語るのに
何から話をしていいのかわからない。
ただ言えることは、パレスチナのことを語るうえで、
大切な出会いがあったことは確かだ。
その人の名は、ニッキー松本。
あのRock of Asiaのリーダー(今、彼とSOEというユニットを結成した)。
思想性をベースに音楽活動をしている日本では珍しい存在である。
彼との出会いはひょんなことから始まった。
ある人の講演会の打ち上げだった。
宴会の席上で私たち二人を引き合わす人がいて、話が始まった。
最初は、ぎこちなかった。無理やり引き合わせられた義務感のような...
会話の弾まない空気...
しかし、私が、ある話の流れで、「人間って、お互いの違いを、違いとして認められれば、差別も、争いも起こらないよね...」って言った途端にすごい反応が返ってきた。
たぶん彼の生き様に触れたんだろう。
そこから、堰を切ったように、音楽の話、とくに、1960年後半、1970年... バッファロウ・スプリングフィールド ジェスロ・タル キング・クリムゾン
プログレの種々のミュジッシャン。そして、ジョー・ザヴィヌル ジャコ・パストリアス オーネット・コールマン...きりがない。時代観もなくなってきた...
そして、音楽と思想、音楽性と思想性
思想の象徴としての音楽と歌詞の重要性。ボブ・ディランの真価。本当の存在価値とは。
人類にとって大切な思想とは何か、
人は、なぜ争うのか
競争と闘争の違い
競争がないと人類が進歩しない。だが、武力闘争は、非。
競争を肯定すると、そこには、どうしても闘争が、生まれる
企業間競争は、企業努力を促進する
過当競争とは、その功罪、競争とは
人類の進歩とは何か。そもそも進化とは何か。
アメリカで、ダーウィンを認めるところ、州とそうでないところがあるのは、なぜ。
宗教的なアプローチで進化論を見ると...
人間にとって宗教は必要か、
心とは何か、心と音楽の関係
楽曲を作る時の精神状態
いい曲とは何か、新しい楽曲創造をしていく上での大切な考え方とは。
音楽家として、思想家として話は尽きない...
不思議な気分になっていく。言語論なら、ソシュール、認識論のメルロ・ポンティ―
実存主義ならキェルケゴール
創造、想像、クリエイト...人が物を造るとは。
人類の原点
人類の良心
人間が人間たる所以
そして、中東問題...パレスチナ自治政府のこと...
宴会場を見渡すと、誰もいなくなっていた。
人っ子ひとりいない、二人は、大盛り上がり
お店は閉店...
そんな出会いだった。
人類の原点としての思想、そして、人の良心
このことのコンセンサスが本当に得られた瞬間だった。
新しい竹馬の友が誕生した瞬間でもあった。
本当の意味の意気投合とは、こういうことを言うのだろう。
パレスチナに、ただ単にコンサートに行ったのではない。
もちろん、コンサート、イベントはやりました。
3日間で7回、大ホールも、難民キャンプも、路上も
その表現の原点が、精神、思想にあること、行き着くところ、人類の良心に根差していること
それが、出発点であること。
もうひとつ付け加えておくと、
私は、団塊の世代でもなければ
もちろん全共闘でもないし、ましてや、中核でもないし、革マルでもない。
真摯に、人間のことを考え、人間に向かい合っているだけである。
コンサートの具体的な内容については、
次号に譲ることにして、
最後に、ハノック・レビンの詞を贈る。
そしてある素晴らしい朝に
また、私たちは彼らの死を悼むのだろう
母親は息子の死を、花嫁は花婿の死を
墓には鳥が鳴き、花が咲き
喪服の女は失神する
そしてわたしたちは歩き去る、彼らをそこに残して
死者は一人で死ぬのだから
そしてまた、ある素晴らしい朝に
わたしたちは彼らの死を悼むのだ
学んだことは何もなかったように
(F・E・アスマール「リッダ〜アラブ人としてイスラエルに生きる」より)
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成田空港出発時 | 難民キャンプにて (中央長髪の男性がニッキー/右隣が筆者) |
パレスチナ国営放送 (筆者とニッキーのデュオSOE) |
高谷秀司(たかたに・ひでし)
1956年、大坂生まれ。音楽家、ギタリスト。幅広いジャンルで活躍。人間国宝・山本邦山師らとのユニット「大吟醸」、ギター・デュオ「G2us」でコンサート、CDリリース。最新作は童謡をテーマにしたCD『ふるさと』。2010年6月から約1ヶ月間、オーストラリアから招かれ楽旅。2012年、ミラノの東北大震災チャリティ・コンサートにプロデューサーの一員として参加
http://www.takatani.com
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
:
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
:
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
:
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
:
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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