Vol.88|
マルコス・フェルナンデス
text by Seiichi SUGITA




 マルコス・フェルナンデスとは、横浜のジャズ・シーンで、数え切れないくらい出会っている。とってもうまい、いいパーカッショニストである。どこまでもプロに徹した、名バイプレイヤー。中庸とでもいうべきか?
 初めて、話らしい話をしたのは、昨2012年、横浜は黄金町のガード下、<試聴室その2>。ぼくがパネラーとなった、トーク・ショウ。テーマは、「とっくにジャズは死んだ」。トーク終了後、マルコスがいう。
「数十年、学生時代を西海岸で過ごしましたが、ジャズっていう言葉は、ほとんど使われませんね」
__今度、ぜひ<Bitches Brew for hipsters only>に、リーダーとして出て下さい。
 そして、スタートしたのが、“SAX & SNARE” シリーズ。
 10月25日(木) かみむら泰一(sax)
 11月29日(木) Gianni Gebbia (sax)
 12月20日(木) 安藤裕子(sax)

最初、スネアだけでどう表現するのか、予測がまったくつかない。が、初日でそんな危惧は完全に払拭されてしまう。マルコスに対峙するのはかみむら泰一。かみむらは、靴を脱いで吹きまくる。何とスポンティニアスなのだ!!
__どうして靴を脱ぐの?
「天から降りてくるものがあるのです」
 つまり、宇宙のリズム、メロディーに、ハーモナイズするということ。そういえば、石田幹雄(p)も、裸足で弾いています。
 さて、マルコスは、複数のスティックを駆使する。縦横無尽にチューニングする。はては、分解し、ビー玉を入れて、可能性を広げていく。スネアって、リズム楽器ではなく、メロディー楽器ですらあるのではないかしら。
 ジャンニ・ゲビア(as)とは初めて出会う。
__出身は?
「シシリーです」
__来日の目的は?
「じつは、1990年代に初来日しました。禅宗に魅せられたのです。臨済宗の門下となり、『常楽』という命を持っています」
__ゲイリー・ピーコックはご存知?
「(笑)世代が少し違います」
__フリージャズとの出会いは?
「初来日の時、吉沢元治(b)さんと出会い、雷にいきなり打たれたような衝撃を受けました」
 ジャンニとマルコスの交感にどっぷりひたる。ふっといままで、解決できずにいたことが、やっと吹っ切れる。日本人とジャンニのデュオは、さぞかしやりづらいだろうなと思う。
 というのは、ジャンニにしろ、マルコスにしろ、何と個性的な唯一無二のスタイルを確立しているのだろう。あえて、日本人のスタイルについて、乱暴ないいようをすれば、日本人のスタイルは、利己主義だといえよう。

 

 3日目の安藤裕子は、何度もssで聴いているけれども、今回初めて、オーストラリア原住民、アボジリニの民族楽器ディジュリドゥを聴く。初日のかみむら泰一と同じコンセプトというか、志向である。」メロディーの儀式性と、しなやかな歌心を享受する。
 “SAX & SNARE” シリーズは、好評につき、2013年1月、2月と続けることに。そして、3月20日(水)〜26日(火)で、“マルコス・フェルナンデス/7 Days”がついに実現する。
 マルコスは、ポルトガル系日本人である。バルコムという品川にあった会社を知っていますか?シュア(カートリッジ)、ローライ(カメラ)、BMW(車)の輸入総代理店である。マルコスの父上は、その担掌者のひとりであったと聞く。




杉田誠一
杉田誠一:
1945年4月、新潟県新発田市生まれ。
1965年5月、月刊『ジャズ』、
1999年11月、『Out there』をそれぞれ創刊。
2006年12月、横浜市白楽に
cafe bar Bitches Brew for hipsters onlyを開く。
http://hakuraku-bb.tumblr.com/
著書に『ジャズ幻視行』『ジャズ&ジャズ』
『ぼくのジャズ感情旅行』。
http://www.facebook.com/Hakuraku.BB
及川公生のちょっといい音空間見つけた >>


♪ Live Information January 2013
open 7:00pm/show 8:00pm

1/06 Sun “シークレット・ギグ”(要予約)
五十嵐 晋(as) サトウ・アキラ(liquid light)
1/09 Wed “ケチャ〜ガムラン〜楽園ジャズ”
城田有子(p) 河原有子(vo) 内田光昭(tp) 岡戸 大(perc)
1/10 Thu 纐纈雅代(as)
1/11 Fri 天田 透(b-fl,co-fl) 竹内 直(ts,fl.b-cl)
1/12 Sat 本田珠也(ds) 竹内 直(ts,fl,b-cl)
1/13 Sun 加藤崇之(g) 竹内 直(ts,fl.b-cl)
1/14 Mon 林 栄一(as) 竹内 直(ts,fl,b-cl)
1/15 Tue 田中徳崇(ds) 竹内 直(ts,fl.b-cl)
1/16 Wed 大由鬼山(尺八) 竹内 直(ts,fl.b-cl)
1/17 Thu 竹内 直(ts,fl,b-cl)
1/18 Fri 菖蒲谷 徹(p)
1/19 Sat JIBO(vo) 山見慶子(p) 遠藤光夫(b) JUNマシオ(ds)
1/20 Sun “伽藍”山内勝司(el-b) 井上史朗(el-b)
1/21 Mon 吉良憲一(b) 江口丈典(b)
1/22 Tue “M.A.S.H” 森 順治(sax) 雨宮 拓(p) 大沼志朗(ds)
1/23 Wed 松戸志朗(ss)
1/24 Thu マルコス・フェルナンデス(snare) 伊藤 匠(sax)
1/25 Fri “モチ・ラボ”望月 孝(g,perc,vo) 荒川マキ(vo) 他
1/26 Sat 纐纈雅代(as)
1/27 Sun 庄田次郎(p-tp,as) 大由鬼山(尺八)
1/28 Mon 金剛 督(ts,fl) 林 あけみ(p)
1/30 Wed 吉野敦子(vo) 永井隆雄(p) 小沢基良(b) 黒崎 隆(ds)

問)Btches Brew 090-8343-5621(杉田)
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JAZZ TOKYO
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FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
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#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


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