Vol.89|
アストロ/長谷川 洋
text by Seiichi SUGITA




 アンビエント〜ドローンの極北"伽藍"と出会って以来、さまざまな出会いが、とっても触発的で楽しい。ふっと最近、つらつらとひっかかるものがある。
「ついに、情況がジャズに追いついた」
「ジャズが思想を追い越した」
等々、といった論争が繰り広げられたのは、はるか1960年代後葉、故・平岡正明の登場以来のこと。今や、誰もこの類いは、話題にしない。ジャズが思想を追い越したってか?
 菊地成孔の全アルバムを聴いたなかで、ちょっと興味を持ったのが『悲しき熱帯』(East Works)である。誰が聴いても、ヘタくそなフランス語で一節が読まれる。
 今時スノッブでも手を出さないだろう。「レヴィ・ストロース入門」ってなところでしょうか?

 

 それでも、「ジャズが構造主義を超えた」なんていうのかしら?
 文化人類学〜構造主義の基本中の基本は、フィールド・ワーク___。
 そういう意味で、ぼくは、長谷川 洋/アストロにぞっこんである。つい先頃、江の島のノラ猫にマイクロ・チップを仕込んだ事件があったけれども、その数日前、長谷川は江の島の音をフィールド・ワークしている。
 アンビエント〜ノイズでは、いつも現在進行形なのです。
 ひとはアストロの世界を、サウンドスケープ、コズミック・ドローンと呼ぶ。
 その昔、長谷川は、サニー・マレイを目指すドラマーではあった。
 アストロ/長谷川 洋の代表作『The Echo from the Purple Dawn』(Important) を深く傾聴すると、鳥の音、波、クジラの鳴き声、そして宇宙の脈動までもが聴こえてくる。アンビエント〜ノイズの現在進行形が、いま、ここにある。アンビエント〜ノイズは現在のオルタナティヴになり得るのでしょうか?

杉田誠一
杉田誠一:
1945年4月、新潟県新発田市生まれ。
1965年5月、月刊『ジャズ』、
1999年11月、『Out there』をそれぞれ創刊。
2006年12月、横浜市白楽に
cafe bar Bitches Brew for hipsters onlyを開く。
http://hakuraku-bb.tumblr.com/
著書に『ジャズ幻視行』『ジャズ&ジャズ』
『ぼくのジャズ感情旅行』。
http://www.facebook.com/Hakuraku.BB
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♪ Live Information January 2013
open 7:00pm/show 8:00pm

3/02 Sat 菖蒲谷 徹(p) ソロ
3/04 Mon 纐纈雅代(as,ss) 熱海宝子(vo)
3/05 Tue "M★A★S★H"
大沼志朗(ds) 森順治(sax) 雨宮拓(p)
3/06 Wed "ケチャ〜ガムラン〜楽団ジャズ"
成田育子(p) 河原厚子(vo) 内田光昭(tp) 岡戸大(perc) 他
3/08 Fri JIBO(vo) 山見優子(p) 遠藤光夫(g) JUNマシオ(ds) 他
3/09 Sat 大由鬼山(尺八) Soon Kim(as)
3/10 Sun "アンビエント〜ドローン〜伽藍"
山内勝司(el-b) 井上史朗(el-b) 忘八門土(シタール)
3/13 Wed 吉良憲一(b) 江口丈典(b)
3/14 Thu 松戸志朗(ss)
3/17 Sun "シークレット・ライヴ"(要予約)
五十嵐晋(as) サトウアキラ(liquidlight) 他
3/19 Tue "モチ・ラボ"
望月孝(vo,g,perc) 荒川マキ(vo) 他
3/20 Zul:ブルース・ヒューバーナー(尺八)原ともや(g) マルコス・フェルナンデス(snare)
3/22 Fri Melt:植野隆司(g) 沢田譲治(b) マルコス・フェルナンデス
(ds,perc)
3/23 Sat wormhole:狩野道夫(fl,sax) 田中悠美子(三味線、voice)
トモカ(oboe) 清水博志(perc) マルコス・フェルナンデス
(perc)
3/24 Sun The Melaphors:サム・ベネット(vo,perc) 清水博志(perc) マルコス・フェルナンデス(perc)
3/25 Mon さがゆき(voice) 伊藤匠(sax) ヒゴヒロシ(b) マルコス・フェルナンデス(perc)
3/26 Tue "国際オバケ連合" 三沢洋紀(g) 天野光太郎(g) 大菅直也(b)
マルコス・フェルナンデス(ds)
3/27 Wed 纐纈雅代(as,ss) 熱海宝子(vo)
3/28 Thu 河上素子(p)
3/29 Fri 加藤崇之(g)
3/30 Sat 林栄一(as)
3/31 Sun (6:00pm~)金剛 督(ts,fl) 林 あけみ(p) 庄田次郎(p-tp,as)

問)Btches Brew 090-8343-5621(杉田)
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JAZZ TOKYO
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FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


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