#77. イェルク・デームス
ピアニスト
2013年11月9日
東京文化会館小ホール



オーストリア出身の世界的ピアノの巨匠、イェルク・デームスが楽壇生活70周年記念のコンサートを行った。今年3月にはデビューを飾ったウィーン楽友協会ですでに記念コンサートを行っている。デームスは今年85歳である。1943年に15歳でこのウィーン楽友協会でデビューした。1961年に初来日。以来ドイツ・ロマン派の大家として広く支持されている。今回のプログラムはベートーヴェンのソナタ第21番「ワルトシュタイン」とソナタ第30番、シューマンの幻想曲、モーツァルトの幻想曲ハ短調とソナタ第10番を演奏。味わい深い音楽に多くの聴衆は聴き惚れ身を預けた。2011年3月には東日本大震災と福島原発事故で来日を中止する音楽家がいる中で、今こそ音楽だと、予定どうり日本に来て演奏をした一人である。感動的な演奏だった。ピアノ曲はすべて暗譜しているという。その後入院し心臓にペースメーカーを付けるが健康は安定している。その体力の源は演奏会後に食する300グラムのステーキらしい。魚はアレルギーがあり好まない。お酒はたまにワインを少々嗜む程度。古楽器の収集は有名。数多くの楽器は財団ムゼオ・クリストフォリを設立して、リヒテンシュタイン国に寄贈。演奏のギャラは全て楽器の購入に充てているという。また夏のマスター・クラスには多くの受講生が集まるが、優秀な学生ほど怒られるという。80歳を迎えた2008年にバースデーの記念リサイタルが東京とウィーンで行われた。東京公演のライブ版が出ている。また、昨2012年には盟友フィッシャー=ディスカウのオマージュとして東京公演の追悼盤が出ている。80歳バースデー・リサイタルのライブ盤は、PAMP-1037(2枚組)プロ アルテ ムジケ ¥3、150、フィシャー=ディスカウ追悼盤はPAMA-1050プロ アルテ ムジケ¥2、500。まだまだロマン派の音楽の伝統の素晴らしいピアノを聴かせてくれるに違いないと思う。

林 喜代種:東京都日野市在住。80年代初めより現在までクラシック音楽を撮影。一時フォーク・ロック・ジャズ・ 民族音楽も。いま、落語・文楽に興味。(社)日本写真家協会会員

JAZZ TOKYO
WEB shoppingJT jungle tomato

FIVE by FIVE 注目の新譜


NEW1.31 '16

追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley

FIVE by FIVE
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣


COLUMN
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi

#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報 シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻


音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美

カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子

及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)

オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美

ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)

INTERVIEW
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義

CONCERT/LIVE REPORT
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄


Copyright (C) 2004-2015 JAZZTOKYO.
ALL RIGHTS RESERVED.