２０１３年初夏に行われた＜ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン＞（熱狂の日・音楽祭）で日本のファンを虜にしたのはスペインのフラメンコ・ギタリストのフアン・マヌエル・カニサレスの演奏だった。オーケストラとの共演、自身のフラメンコ六重奏など毎回違ったプログラムで全１１公演を行った。そのカニサレスがカルテットで暮の１２月に再来日。フラメンコ・ファンを再び魅了した。１９６６年スペイン東部のカタルーニャ生まれ。１６歳の時にコンクールに優勝し、プロの道へ。１９８８年からパコ・デ・ルシアのバンドに１０年間セカンド・ギターとして参加しツアーを共にする。そのパコ・デ・ルシアとの出会いはカニサレスが１３歳のときだった。その頃神とあがめる、楽屋のパコ・デ・ルシアの前でギターの演奏を聴いてもらえた。そして「まだ若い、何時かいっしょにやろう」と言ってくれた。約束通り１０年後パコ・デ・ルシアのバンドへの誘いがあり念願の共演が実現した。カニサレスは８歳で作曲を始め、作曲家としての才能も発揮し、スペイン国立バレエ団への作品を作曲したり、映画音楽を作曲している。またカルロス・サウラ監督の『フラメンコ』への出演でも話題を呼んだ。さらにアルベニスやグラナドスのスペインの作曲家のピアノ作品をギターのために編曲している。それらを収録したアルバム『アルベニス：組曲イベリア』はスペイン版レコードアカデミー賞のクラシック部門の最優秀賞を受賞。また２０１１年には指揮者サイモン・ラトルの招待を受けマドリードの王立劇場で、ベルリン・フィルとロドリーゴの『アランフェス協奏曲』を共演。ベルリン・フィルとフラメンコ・ギタリストの初共演として注目された。以後クラシック音楽家との共演も多くなる。最新CD２タイトル、カニサレスによるファリャ『三角帽子』、『はかなき人生』（発売：プランクトン）が今年４月発売予定。２０１５年に三度目の来日が予定されている。