イタリアのソプラノの女王と言われているバルバラ・フリットリが６月、東京で一夜限りのリサイタルを行った。５月のローマ歌劇場来日公演でオペラ｢シモン・ボッカネグラ｣のアメーリアを演ずる予定だったが、都合で出演は中止になった。が、リサイタルは無事に行われた。このリサイタルに詰めかけた多くのファンが、オーケストラをバックに歌曲とオペラ・アリアを織り交ぜた多彩なプログラムでのフリットリの艶やかな声と豊かな表現力に魅了された。フリットリはイタリアのミラノに生まれる。ヴェルディ音楽院で学ぶ。１９８９年にフィレンツェ歌劇場でオペラ・デビュー。ミラノ・スカラ座をはじめメトロポリタン歌劇場、英国ロイヤル・オペラ、バスティーユ、バイエルン国立歌劇場、ウィーン国立歌劇場など著名なオペラハウスに出演。日本ではこれまでフィレンツェ歌劇場｢トゥーランドット｣「ファルスタッフ」、ウィーン国立歌劇場「コシ・ファン･トゥッテ」、ミラノ・スカラ座「ドン･カルロ」、トリノ王立歌劇場「ラ・ボエーム」などに出演している。ローマ歌劇場には日本で初出演の予定だったが、叶わず残念だった。その優れた才能と実力は世界中で認められ人気を博している。２０１２年２月オーストリア宮廷歌手の称号が与えられた。また、今年１１月藤原歌劇団創立８０周年記念公演オペラ「ラ・ボエーム」に出演予定。ミミを演ずる。